潜む脅威:SUBMARINEバックドアとその対策
昨今、企業にとって情報資産の保護は事業継続の要となり、様々なセキュリティ対策が講じられています。しかし、攻撃者たちの技術も巧妙化しており、安全対策の穴を突くサイバー攻撃の脅威は深刻さを増すばかりです。特に、企業内外との重要な連絡手段であるメールは、攻撃の格好の標的となっています。日々進化する攻撃の手口に対応すべく、セキュリティ対策の強化が急務となっています。メールセキュリティ対策として多くの企業が導入しているのが、Barracuda Networks社の提供するESG(Email Security Gateway)という製品です。この製品は、外部からの不正アクセスを遮断する役割を担っていますが、2023年5月に特定のバージョンにおいて、CVE-2023-2868と呼ばれる脆弱性が発見されました。この脆弱性は、攻撃者が悪意のあるコードを実行することを許してしまう危険性があり、発見当時、修正プログラムが提供されていないゼロデイ脆弱性であったことから、大きな波紋を呼びました。この事例は、企業がセキュリティ対策を導入するだけでは十分ではなく、常に最新の状態に保つことの重要性を改めて示すものとなりました。