DLLサイドローディング

サイバー犯罪

気づかぬうちに危険を招き入れるDLLサイドローディング

私たちが日常的に利用しているスマートフォンやパソコン。その中で動作する様々なアプリケーションは、生活を便利にする一方で、犯罪者に狙われる危険性もはらんでいます。今回は、数ある攻撃手法の中でも、巧妙な方法として知られる「DLLサイドローディング」について詳しく解説していきます。 アプリケーションは、その機能を十分に発揮するために、開発者が用意したプログラム部品(DLLファイル)を必要とします。DLLサイドローディングは、この仕組みを悪用した攻撃です。 攻撃者は、正規のDLLファイルとそっくりな名前の悪意のあるDLLファイルをひこっそりと作成し、アプリケーションと同じ場所に仕掛けます。そして、アプリケーションが起動する際に、正規のDLLファイルの代わりに、悪意のあるDLLファイルを読み込ませてしまうのです。 悪意のあるDLLファイルが読み込まれてしまうと、アプリケーションは攻撃者の思い通りに操られてしまいます。例えば、パソコン内の重要な情報を盗み出したり、別の悪意のあるプログラムをインストールさせたりすることができてしまいます。 巧妙なことに、DLLサイドローディングは、アプリケーション自体には変更を加えないため、セキュリティ対策ソフトでも見つけることが難しい場合があります。 しかし、対策がないわけではありません。アプリケーションは、信頼できる提供元から入手するように心がけ、常に最新の状態に保つことが重要です。また、セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保ち、怪しいウェブサイトへのアクセスは控えるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、被害を防ぐことができます。