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マルウェア

痕跡を残さない脅威:ファイルレスマルウェアの正体

- 従来のマルウェアと何が違う?ファイルレスマルウェアの登場 近年、コンピュータウイルスやトロイの木馬といった、悪意のあるプログラムを利用してコンピュータに害をなす従来型のマルウェアに加え、新たな脅威としてファイルレスマルウェアが登場し、大きな問題となっています。 従来型のマルウェアは、悪意のあるプログラムファイルをユーザーが実行してしまうことで感染を広げていました。そのため、セキュリティ対策ソフトは、怪しいファイルがないか監視したり、ファイルが悪意のある動作を起こさないかを確認したりすることで、被害を防いできました。 しかし、ファイルレスマルウェアは、その名の通りファイルの形を取らずに、コンピュータのメモリ上などの、一時的に情報が保管される領域を利用して活動します。従来型のマルウェアのようにファイルとして存在しないため、セキュリティ対策ソフトによる検知が非常に困難です。 ファイルレスマルウェアは、気付かれることなく、機密情報や個人情報の不正な取得や、システムの破壊といった悪質な活動を行う可能性があります。そのため、ファイルレスマルウェアに対するセキュリティ対策の強化が急務となっています。
セキュリティ強化

ファイルの同一性を確かめる技術~ファイルハッシュのススメ~

- ファイルハッシュとは -# ファイルハッシュとは ファイルハッシュとは、デジタルデータの内容から生成される、そのデータだけに固有の識別符号のことです。まるで、人がそれぞれ異なる指紋を持つように、デジタルデータも内容が少しでも異なれば、全く異なるハッシュ値を持ちます。 このハッシュ値は、データの内容を要約した短い文字列で表現されます。ファイルのサイズに関わらず、常に一定の長さのハッシュ値が生成されるため、データの同一性を確認する手段として非常に便利です。 例えば、全く同じ内容の二つのファイルがあった場合、たとえファイル名や作成日時が異なっていても、ハッシュ値は一致します。逆に、わずか一文字でも内容が変更された場合、ハッシュ値は大きく変化します。 この特性を利用することで、ファイルの改ざん検知などに役立ちます。データの送受信時などにハッシュ値を比較することで、データが途中で改ざんされていないかを簡単に確認できるのです。 ファイルハッシュは、セキュリティ対策において重要な役割を果たしており、データの整合性を保証する上で欠かせない技術と言えるでしょう。
ネットワーク

ファイルサーバのセキュリティ対策:アクセス権限設定のススメ

- ファイルサーバとは -# ファイルサーバとは ファイルサーバとは、組織内で複数のコンピュータからアクセスできる、ファイルを保管するための専用のコンピュータ、またはソフトウェアのことを指します。まるで会社の共有フォルダのように、多くの従業員がそれぞれのコンピュータからアクセスして、必要なファイルを利用することができます。 従来は、大きな容量を持つ高性能なコンピュータがファイルサーバとして利用されていましたが、近年では、より安価で導入しやすいネットワーク接続型のハードディスク(NAS)も普及しています。 ファイルサーバは、組織にとって重要な情報を一元管理し、共有するための基盤として、多くの企業や組織で利用されています。例えば、営業部門のメンバーだけがアクセスできるフォルダを作成し、顧客情報や提案書などの重要な書類を保管しておくことができます。また、総務部門が作成した書類テンプレートや、経理部門が管理する請求書などを全社員で共有することも可能です。 ファイルサーバを利用することで、業務効率の向上、情報共有の促進、セキュリティの強化といったメリットがあります。しかし、一方で、アクセス権の設定ミスによる情報漏洩や、ファイルサーバ自体が故障した場合の業務への影響など、注意すべき点も存在します。そのため、ファイルサーバを安全かつ効率的に運用するためには、適切なセキュリティ対策やバックアップ体制の構築が不可欠です。
データ保護

ファイルとセキュリティ:実行権限の危険性

- ファイルデータの宝庫 コンピュータの世界では、私たちが毎日扱うあらゆる情報は「ファイル」という形で整理され、保存されています。写真、音楽、文書、プログラムなど、その種類は多岐に渡りますが、これらは全てコンピュータ内部ではファイルとして存在しています。 ファイルは、まるで宝箱のように、様々な種類のデータを保管しています。例えば、美しい風景写真や思い出の動画、重要な仕事の資料、大好きな音楽なども、全てファイルとしてコンピュータの中に保存されています。私たちがファイルを開くということは、この宝箱を開けて、中にしまわれたデータを取り出すことを意味します。 ファイルは、コンピュータを理解する上で欠かせない重要な概念です。コンピュータは、ファイルという単位でデータを管理し、処理を行います。ファイルについて深く学ぶことで、コンピュータの仕組みへの理解を深め、より効果的にコンピュータを活用することができます。 ファイルには、それぞれ名前が付けられており、拡張子と呼ばれるファイルの種類を示す記号が付いている場合もあります。拡張子を見ることで、そのファイルが画像、文書、音楽など、どのような種類のデータを含んでいるのかを判断することができます。 コンピュータを使いこなすためには、ファイルの操作方法を習得することが重要です。ファイルの作成、保存、削除、コピー、移動など、基本的な操作を学ぶことで、コンピュータをより便利に活用できるようになります。
ネットワーク

ファイアーウォール:インターネットの安全を守る守護壁

- インターネットの脅威から守るもの インターネットは、膨大な情報や便利なサービスを提供してくれる反面、目には見えない脅威も潜んでいます。私たちの大切な情報やプライバシーを守るためには、インターネットの安全性を意識し、適切な対策を講じることが重要です。 インターネット上に潜む脅威として、コンピューターウイルスや不正アクセスなどが挙げられます。ウイルスは、感染した端末を不正に操作したり、個人情報を盗み出したりする可能性があります。また、不正アクセスは、他人が無断で私たちのアカウントにログインし、情報を盗み見たり、悪用したりすることを指します。 これらの脅威から身を守るための有効な手段の一つとして、「ファイアーウォール」があります。ファイアーウォールは、インターネットと自分のパソコンやスマートフォンなどの端末との間に設置する、いわば「壁」のようなものです。この壁は、外部からの怪しい通信を遮断し、私たちの端末や情報を守る役割を担っています。 ファイアーウォールは、家の玄関に鍵をかけるのと同じくらい重要なセキュリティ対策と言えます。インターネットに接続する際には、必ずファイアーウォールを有効化し、常に最新の状態に保つように心がけましょう。
サイバー犯罪

巧妙化するネット詐欺「ファーミング」にご用心

- 具体的なピボッティング攻撃の例 ある企業で、従業員がフィッシングメールを開封してしまい、添付されていたファイルを実行したために、その従業員のパソコンがマルウェアに感染してしまったとしましょう。この場合、攻撃者にとって、感染したパソコンは企業のネットワークに侵入するための足がかりとなります。 企業のネットワーク内部には、顧客情報や財務データといった重要な情報が保管されたサーバーが存在するとします。攻撃者は、まず感染したパソコンを踏み台にして、社内ネットワークに接続されている機器やその脆弱性を調査します。 例えば、攻撃者は感染したパソコンから、社内ネットワーク内の他のパソコンやサーバーに対して、自動的にポートスキャンを実行するようなツールを実行することが考えられます。このポートスキャンによって、攻撃者はネットワークに接続されている機器の種類や、それらの機器が外部に公開しているサービス、そして使用されているソフトウェアとそのバージョンなどを特定します。 もし、攻撃者が特定した情報の中に、脆弱性を持つ古いバージョンのソフトウェアが動作しているサーバーが見つかったとします。そうすれば、攻撃者はその脆弱性を突く攻撃ツールを使ってサーバーに侵入を試みます。そして、サーバーへの侵入に成功すると、攻撃者は目的の顧客情報や財務データなどを盗み出したり、システム全体を破壊したりする可能性があります。 このように、ピボッティング攻撃は、一見するとセキュリティ対策が施されているように見える組織内部にも侵入し、機密情報や重要なシステムを危険にさらす可能性のある、非常に巧妙な攻撃手法です。