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セキュリティ対策の基礎: 共通脆弱性タイプCWEとは

- 共通脆弱性タイプCWEの概要 ソフトウェアやハードウェアには、設計上のミスやプログラミングの誤りなど、セキュリティ上の弱点が存在することがあります。このような弱点は「脆弱性」と呼ばれ、悪用されると情報漏えいやシステム停止などの深刻な被害につながる可能性があります。 共通脆弱性タイプCWEは、世界中で発見された様々な脆弱性を共通の形式で分類・整理したリストです。CWEは、特定の製品や技術に依存せず、脆弱性そのものに焦点を当てています。 CWEを利用することで、開発者は自らが開発するソフトウェアに潜む脆弱性の種類を特定し、適切な対策を講じることができます。また、セキュリティ専門家は、CWEを基に脆弱性の傾向を分析し、組織全体のセキュリティ対策を強化することができます。 CWEは、脆弱性を特定するための共通の指標として、CVE(共通脆弱性識別子)やCVSS(共通脆弱性評価システム)と合わせて利用されることが多く、セキュリティ対策の基礎となる重要な知識と言えるでしょう。
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セキュリティ対策の基礎知識:CVEとは

情報技術が急速に発展する現代において、情報セキュリティは個人や組織にとって非常に重要な課題となっています。コンピューターシステムやソフトウェアは、私たちの生活に欠かせないものとなりましたが、同時に、悪意のある攻撃者にとっても格好の標的となっています。これらのシステムやソフトウェアの設計や実装における欠陥や弱点は、「脆弱性」と呼ばれ、サイバー攻撃の起点となる可能性があります。 脆弱性を放置すると、システムの停止、機密情報の漏えい、金銭的な損失など、深刻な被害が発生する可能性があります。そこで、世界中で共通に利用できる脆弱性情報のデータベース化が進められています。その代表的な取り組みの一つが、「共通脆弱性識別子(CVE)」です。CVEは、発見された脆弱性一つ一つに固有の識別番号を割り当て、世界中のセキュリティ専門家や開発者が共通して参照できるようにする仕組みです。 CVEを用いることで、脆弱性に関する情報の共有や対策がよりスムーズに行えるようになります。例えば、セキュリティ専門家はCVEを使って最新の脆弱性情報を迅速に把握し、組織のシステムに対する潜在的な脅威を評価することができます。また、ソフトウェア開発者は、CVEを参照することで、開発中のソフトウェアに同様の脆弱性が存在しないかを確認し、修正を施すことができます。このように、CVEは情報セキュリティの向上に大きく貢献する重要な取り組みと言えるでしょう。
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サイバーセキュリティ対策の鍵!MITREとは?

- MITREの概要MITRE(マイター)は、アメリカの連邦政府のために設立された、利益を目的としない団体です。国の安全、航空宇宙、サイバーセキュリティ、ヘルスケアといった、様々な分野で重要な役割を担っています。 MITREは、高度な技術力と専門知識を活かし、政府機関と協力しながら、より安全で高度な社会の実現を目指しています。 具体的には、以下の様な活動を行っています。* -国家安全保障- テロ対策、情報分析、防衛システムの開発など、国家の安全を守るための研究開発や技術支援を行っています。* -航空宇宙- 航空管制システムの安全性向上、衛星システムの開発、宇宙探査の支援など、航空宇宙分野の発展に貢献しています。* -サイバーセキュリティ- サイバー攻撃から国家を守るための技術開発や、企業へのセキュリティ対策支援などを行っています。特に、サイバー攻撃の手法を体系化した「MITRE ATT&CK」は、世界中のセキュリティ担当者にとって重要な知識となっています。* -ヘルスケア- 医療情報システムの安全性向上、医療データの分析、医療現場への技術導入支援など、国民の健康を守るための活動を行っています。MITREは、これらの活動を通じて、政府機関が抱える複雑な課題の解決に貢献しています。 中立的な立場から、客観的な分析や評価を提供することで、政府機関の意思決定を支援しています。 また、最新の技術や知識を共有することで、政府機関全体の能力向上にも寄与しています。
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AI/MLシステムを守る!MITRE ATLASのススメ

- 人工知能と新たな脅威人工知能(AI)や機械学習(ML)は、私達の日常生活に革新をもたらし、様々な分野で利便性を向上させています。しかし、それと同時に、従来の技術にはなかった新たなセキュリティリスクも生まれてきています。従来のコンピュータシステムは、予め決められたプログラムに従って動作するため、そのプログラムの脆弱性を突いた攻撃が主な脅威となっていました。一方、AIやMLシステムは、大量のデータから自身で学習し、その学習内容に基づいて判断や予測を行います。この学習プロセスや学習データそのものが悪用され、システムの動作に影響を与えたり、機密情報が漏洩したりする可能性があります。例えば、AIモデルの学習データに、悪意のあるデータが紛れ込むことで、誤った判断や予測をするように仕向けられる可能性があります。また、AIシステムのアルゴリズム自体に脆弱性が存在する場合、その脆弱性を突いた攻撃によって、システムの制御を奪われたり、重要な情報が盗み出されたりする危険性もあります。AIやML技術は日々進化しており、それに伴い、攻撃の手口も巧妙化しています。そのため、AIやMLシステム特有のセキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、学習データの安全性確保、アルゴリズムの脆弱性診断、AIシステムへのアクセス制御強化など、多角的な対策を検討する必要があります。AIやML技術の進化の恩恵を享受しながら、安全に利用していくために、セキュリティ対策にも積極的に取り組んでいく必要があります。