電力網を守る要塞!NERC CIPとは?
- 電力供給の安定とNERC CIPの関係現代社会において、電気は私たちの生活や経済活動にとって、水や空気と同じように欠かすことのできないものです。発電所で作られた電気は、送電線を通って変電所で電圧を変えられ、私たちの家庭や職場に届けられます。この電気の流れが滞ってしまうと、私たちの生活は一瞬にして混乱に陥ってしまいます。近年、電力システムに対するサイバー攻撃の脅威が高まっています。もし、電力網がサイバー攻撃によって停止に追い込まれてしまったら、交通機関は麻痺し、工場は稼働を停止し、病院の機能も停止してしまうなど、私たちの生活に計り知れない影響が及ぶことになります。このような事態を防ぐため、北米では電力網に対するサイバーセキュリティ対策としてNERC CIPが策定されました。NERC CIPとは、北米電力信頼度協議会(NERC)が定める電力会社などに対する強制的なサイバーセキュリティ基準です。具体的には、電力システムへのアクセス制御、監視システムの強化、インシデント対応計画の策定など、多岐にわたるセキュリティ対策が求められています。NERC CIPは、電力網の安定稼働を守るための重要な砦といえます。電力会社をはじめとする関係機関は、NERC CIPを遵守することで、サイバー攻撃から電力システムを守り、私たちの生活を守っているのです。