NIST SP800-171

コンプライアンス

米国防契約を締結する際の必須知識:DFARSの概要

- DFARSとは米国国防総省との取引において、守るべき規則があります。それが「防衛連邦調達規則補足」、英語ではDFARSと略記されるものです。これは、アメリカの連邦政府機関全体で適用される調達規則であるFAR(連邦調達規則)を、国防に関する事項に特化して補足したものです。国防総省と契約を結ぶあらゆる企業や団体は、このDFARSの規則に従うことが必須となります。DFARSが定める規則の中で、特に重要なもののひとつに、情報の保護に関するものがあります。これは、機密情報として指定されてはいないものの、適切に保護する必要がある情報である「管理対象防衛情報」、英語では「Covered Defense Information」を略してCDIと呼ばれます。CDIを扱う契約には、DFARSの規則が適用され、情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策を適切に実施することが求められます。もしも、DFARSの規則に従わずにセキュリティ対策が不十分な場合、国防総省との契約を失ってしまう可能性もあります。そのため、国防総省と契約を結んでいる、あるいは、結ぶ予定のある企業や団体は、DFARSの内容を十分に理解し、必要なセキュリティ対策を講じることが重要となります。
コンプライアンス

グローバルビジネスにおけるNISTの重要性

- NISTとはNISTは、アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)の省略形で、アメリカ合衆国に設置された国の機関です。主な役割は、測定の基準を定めたり、新しい技術の開発を促進することなど、幅広く活動しています。 近年、日本でもNISTの名前を耳にする機会が増えてきました。これは、情報を取り扱う上での安全確保の重要性が高まっていることが背景にあります。特に、アメリカ合衆国政府が保有する情報を扱う企業や組織にとっては、NISTが示す指針に従うことが必須になりつつあります。 NISTは、サイバーセキュリティに関する様々な枠組みや指針、推奨事項などを提供しており、世界中で活用されています。具体的には、組織がサイバーセキュリティリスクを特定し、管理するための枠組みである「NIST Cybersecurity Framework」や、システムやデータの機密性、完全性、可用性を保護するためのガイドラインである「NIST SP 800シリーズ」などが広く知られています。 これらのNISTの基準や推奨事項は、企業や組織がサイバー攻撃から自身を守るための対策を講じる上で参考になるだけでなく、国際的な取引を行う上でも重要性を増しています。
データ保護

意外と知らないCUI: あなたの情報資産を守るために

- CUIとはCUIとは、「管理された非機密情報」という意味で、アメリカ合衆国政府によって定められた情報区分のことを指します。機密情報のように厳重な管理は求められていませんが、漏洩した場合には国の安全や企業の利益、個人のプライバシー等に悪影響を及ぼす可能性がある情報です。私たちの身の回りにもCUIは存在しています。例えば、企業が保有する顧客情報や技術情報、金融機関が扱う口座情報、医療機関が管理する患者情報などが挙げられます。これらの情報は、機密情報と比べると公開されている範囲も広く、一見すると重要ではないように思えるかもしれません。しかし、これらの情報が悪用されると、企業活動の停滞や個人情報の漏洩、社会的な混乱を招く可能性があります。そのため、CUIは適切に管理し、漏洩や不正アクセスから守ることが重要です。具体的には、情報を扱う担当者への教育や、アクセス制限、暗号化などのセキュリティ対策を講じる必要があります。また、情報資産の重要度に応じて、適切な管理体制を構築することも大切です。CUIは、決して私たちにとって遠い存在ではありません。CUIへの理解を深め、適切な情報管理を心がけることが、安全な情報社会の実現につながると言えるでしょう。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基礎: プロセスの分離とは

- プロセスの分離の概要コンピューター上で同時に複数のプログラムを動かしていると、それぞれのプログラムが競合し、予期しない問題が発生する可能性があります。これを防ぐための重要なセキュリティ対策が「プロセスの分離」です。プロセスの分離とは、それぞれのプログラムを独立した作業領域(メモリ空間)に隔離し、互いに干渉できないようにする仕組みです。各プログラムは自分の作業領域内でしかデータの読み書きができないため、他のプログラムの領域にアクセスすることはできません。これは、あるプログラムに欠陥や悪意のあるコードが含まれていた場合でも、他のプログラムやシステム全体への影響を最小限に抑えるために非常に重要です。例えば、悪意のあるプログラムが特定のプログラムのデータを盗み取ろうとしたとしても、プロセスの分離によってそれが阻止され、被害を最小限に食い止めることができます。プロセスの分離は、現代のオペレーティングシステム(OS)において標準的な機能となっています。OSは、それぞれのプログラムに独立した作業領域を割り当て、プログラム間のアクセスを制御することで、システム全体の安定性と安全性を確保しています。ユーザーは、プロセスの分離を意識することなく、安全に複数のプログラムを同時に利用することができます。