ProxyLogon: 標的はビル管理システム?
- 脆弱性ProxyLogonとは
ProxyLogonは、多くの企業や組織で使用されているメールサーバーソフトウェアであるMicrosoft Exchange Serverの中に見つかった、危険度の高い脆弱性です。この脆弱性にはCVE-2021-26855という識別番号が付けられており、世界中で大きな注目を集めました。
ProxyLogonを悪用されると、攻撃者はまるで正規のユーザーであるかのように、システムに侵入することが可能になります。具体的には、本来であればユーザー名とパスワードを入力して行うべき認証を、攻撃者の巧妙な操作によってバイパスされてしまいます。その結果、攻撃者はシステムの最高権限である管理者権限を不正に取得してしまう可能性があります。
管理者権限を奪われた場合、攻撃者はシステム内のあらゆる情報を閲覧できるだけでなく、情報の改ざんや削除、さらにはシステム全体の制御を乗っ取ることさえも可能になります。これは、企業にとって、顧客情報や機密情報などの漏洩、業務システムの停止、金銭的な損失など、甚大な被害につながる可能性があります。
そのため、Microsoft Exchange Serverを利用している場合は、速やかに提供されているセキュリティ更新プログラムを適用し、この脆弱性を解消することが非常に重要です。