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脆弱性

競合状態にご用心!

- 身近に潜む落とし穴、競合状態とは?コンピュータの世界では、複数の処理が同時に実行されることがよくあります。これは一見効率的に見えますが、落とし穴も存在します。それが「競合状態」と呼ばれる問題です。複数の処理が、データやプログラムの一部など、共通のリソースにアクセスする場合を考えてみましょう。例えば、銀行口座の残高を変更する処理が挙げられます。AさんとBさんが同時に同じ口座からお金を引き出そうとした場合、それぞれの処理が「現在の残高を確認する」「確認した残高から引き出す金額を引く」「変更後の残高を記録する」という手順を踏みます。もしこれらの処理が、Aさん、Bさんの順序で正確に行われれば問題はありません。しかし、コンピュータの世界では処理の順番が前後したり、一部の処理が同時に行われたりすることがあります。例えば、Aさんが残高を確認した後、Bさんも残高を確認し、その後Bさんが引き出し処理を行い、最後にAさんが引き出し処理を行う、といった具合です。このように、処理の順番が想定とは異なる場合、予期せぬ結果を引き起こす可能性があります。上記の例では、AさんもBさんも、本来は引き出せないはずの金額を引き出せてしまうかもしれません。これが競合状態による問題の一例です。競合状態は、プログラムの設計段階で適切な対策を講じることで防ぐことができます。身近なシステムの中にも、競合状態を防ぐための様々な工夫が凝らされています。