「S」

セキュリティ強化

システムの「声」を聞く: Syslog入門

- システムログとは コンピュータは私達人間のように、日々の行動を記憶しておくことが得意ではありません。そこで、コンピュータ自身が行った様々な処理を記録しておくために、「システムログ」と呼ばれる仕組みが使われています。 システムログは、コンピュータ内部で起こった出来事を記録した日記のようなものです。例えば、プログラムがいつ開始・終了したか、エラーが発生した際にはどのようなエラーだったのか、設定が変更された場合はどのような変更があったのかなど、システムの活動状況が詳細に記録されていきます。 このシステムログを分析することで、私達はコンピュータの状態を把握することができます。システムが正常に動作しているかを監視したり、問題が発生した場合にはその原因を突き止めるために活用されます。 システムログは、まるでコンピュータが自身の行動を記録した「声」のようなものです。私達はこの「声」を聞くことで、コンピュータ内部で何が起こっているのかを理解し、より安全にそして快適にコンピュータを利用することができるのです。
脆弱性

sudoersファイルの脆弱性と対策

- sudoersファイルとは -# sudoersファイルとは 「sudoersファイル」は、LinuxやmacOSといったUNIX系のOSにおいて、「sudoコマンド」の使用権限を設定するための重要なファイルです。このファイルは、システムの最高権限である「ルート権限」を持つユーザーのみが編集できるようになっています。これは、システム全体の安全を守る上で非常に重要な仕組みです。 このsudoersファイルには、「どのユーザーまたはグループが、どのコマンドを、どのコンピューター上で、ルート権限で実行できるのか」といった情報が細かく定義されています。 例えば、特定のユーザーに、システムのファイルを削除する権限は与えずに、ソフトウェアのインストールや更新に関するコマンドのみ実行できるように設定することができます。このように、システム管理者は、sudoersファイルを適切に設定することで、一般ユーザーに限定的な管理者権限を与えることができます。この仕組みにより、システム全体の安全性を確保しつつ、ユーザーが必要な作業を行える環境を実現できます。 しかし、sudoersファイルは、その強力さゆえに、誤った設定をしてしまうと、システム全体に影響を及ぼす可能性もあります。そのため、sudoersファイルの編集は慎重に行う必要があり、変更を加える場合は、必ず事前に内容を十分に確認することが大切です。
セキュリティ強化

sudoを使いこなす:セキュリティと利便性の両立

- sudoとは普段パソコンを使う際、皆さんはそれぞれ自分のアカウントで作業をしていると思います。これは、各自のデータや設定を他の利用者から保護し、システム全体を安定して動作させるために必要な仕組みです。しかし、時にはシステムの設定を変更したり、特定のプログラムをインストールするなど、より深いレベルでの操作が必要になる場合があります。このような場合に役立つのが「sudo」コマンドです。「sudo」は「superuser do」の略で、その名の通り、通常はシステム全体の管理者である「rootユーザー」だけが実行できる強力な操作を、一時的に許可するコマンドです。 rootユーザーはシステムへの完全なアクセス権を持つため、もしパスワードが漏洩したり、悪意のあるプログラムに悪用されたりすると、システム全体が危険にさらされる可能性があります。そこで、普段は権限の低い一般ユーザーアカウントを使用し、必要になった時だけ「sudo」を使って管理者権限で操作を行うことで、リスクを最小限に抑えることができるのです。「sudo」コマンドを使用する際は、実行するコマンドの前に「sudo」と入力し、その後ろに実行したいコマンドを続けます。すると、システムはパスワードの入力を求めてきますが、これはrootユーザーのパスワードではなく、現在使用しているユーザー自身のパスワードです。このように、sudoはrootユーザーのパスワードを直接扱うことを避けることで、セキュリティをさらに強化しています。「sudo」は、システム管理者でなくとも、LinuxやmacOSなどのUNIX系システムを使う上で知っておくべき重要なコマンドです。正しく使うことで、安全かつ効率的にシステムを管理することができます。
ネットワーク

SSHで安全なリモートアクセスを実現しよう

インターネットが社会に欠かせないものとなった現代において、遠く離れた場所にあるコンピュータを操作できる「リモートアクセス」技術は、なくてはならないものとなっています。例えば、自宅にいながら会社のサーバーで仕事ができたり、旅行先でも自宅のパソコンのデータを見ることができたりと、私たちの生活に大変役立っています。 しかし、便利な反面、リモートアクセスにはセキュリティ上のリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。ネットワーク上を流れるデータは、第三者に見られたり、悪意のある人に書き換えられる可能性があるからです。 そこで、安全性を確保するために開発されたのが「SSH(セキュアシェル)」という技術です。SSHは、安全ではないネットワークを経由する場合でも、暗号化などの技術を用いることで、安全にリモートアクセスを実現できるように設計されています。 SSHを使うことで、パスワードなどの重要な情報は暗号化されて送受信されるため、第三者に盗み見られるリスクを大幅に減らすことができます。また、SSHは通信相手を確認する機能も備えているため、偽のサーバーに接続してしまうといったリスクも回避できます。 このように、SSHはリモートアクセスを安全に行うための重要な技術です。リモートアクセスを利用する際は、必ずSSHを利用して、安全性を確保するように心がけましょう。
セキュリティ強化

マルウェア解析の強力な武器:ssdeepとは

- ssdeepの概要ssdeepは、セキュリティ対策を行う担当者や不正なプログラムを解析する人が活用する、ファイルの類似性を判定するツールです。 従来のハッシュ関数では、わずかな違いでも全く異なる値になってしまいますが、ssdeepは「あいまいハッシュ」と呼ばれる手法を用いることで、少しだけ異なるファイルに対しても近い値を算出できます。この「あいまいさ」がssdeepの強みです。不正なプログラムは、検出を逃れるために、プログラムの一部を少しだけ変えるという手法がよく用いられます。従来のハッシュ関数では、このようなわずかな変更を見つけることは困難でしたが、ssdeepを用いることで、変更箇所を特定しやすくなります。具体的には、ssdeepはファイルを小さな断片に分割し、それぞれの断片の特徴量を抽出します。そして、それらの特徴量を基にハッシュ値を生成します。そのため、ファイルの一部が変更されていても、他の部分の特徴量が一致すれば、類似したハッシュ値が算出されるのです。ssdeepは、不正なプログラムの亜種検出や、マルウェア解析などに活用されています。セキュリティ対策の現場において、強力なツールの一つと言えるでしょう。
マルウェア

見過ごされる脅威:System Binary Proxy Executionとは

パソコンの安全を守るためのソフトは、とても大切な役割を担っています。まるで、家の玄関に鍵をかけるように、外からの侵入を防いでくれる存在です。しかし、泥棒が鍵をこじ開ける方法を知っているように、悪いことを企む人も、この安全対策をくぐり抜ける方法を探し続けています。 最近、"System Binary Proxy Execution" という巧妙な技が使われ始めています。これは、家の鍵を壊すのではなく、家族の誰かの顔をして家の中に入ってしまうようなものです。つまり、普段使っていて安全だとわかっているプログラムを悪用し、こっそりと悪いことを実行してしまうのです。 セキュリティソフトは、家の住人であるプログラムを見分けることができますが、家族の顔をした侵入者までは見分けがつきません。そのため、この方法を使うと、悪意のあるプログラムがセキュリティソフトの監視をかいくぐり、パソコンの中に侵入できてしまう危険性があります。 このように、パソコンの安全を守るためには、セキュリティソフトだけに頼るのではなく、常に最新の情報を入手し、怪しいプログラムを実行しないように注意することが大切です。
マルウェア

見逃してはいけない脅威:正規プログラムの悪用

私たちは毎日、何気なくパソコンで様々なプログラムを使っています。文書作成ソフトやインターネットを見るためのソフトなど、どれも身近で欠かせないものばかりです。これらのプログラムは、信頼できる会社が開発しているので、安心して使っていますよね。 しかし、もしも、この信頼できるはずのプログラムが悪意のあるプログラムを動かすために利用されたら、どうでしょうか?今回は、System Binary Proxy Executionという攻撃手法を例に、正規のプログラムが悪意のある行動をとる危険性について考えてみましょう。 System Binary Proxy Executionという攻撃手法は、簡単に言うと、信頼できるプログラムを悪意のあるプログラムの“代理人”のように使ってしまう攻撃です。 例えば、攻撃者は、私たちのパソコンに侵入するために、悪意のあるプログラムを送り込もうとします。しかし、セキュリティ対策ソフトが有効だと、容易には侵入できません。そこで、攻撃者は、このSystem Binary Proxy Executionを使って、既に私たちのパソコンに存在する、信頼できるプログラムに目をつけます。そして、この信頼できるプログラムに、悪意のあるプログラムを実行させるように仕向けるのです。 セキュリティ対策ソフトは、信頼できるプログラムの動作を監視しません。そのため、信頼できるプログラムが悪意のあるプログラムを実行してしまっても、セキュリティ対策ソフトはそれを阻止することができません。結果として、攻撃者は私たちのパソコンに侵入し、情報を盗み見たり、システムを破壊したりできてしまいます。 このように、信頼できるプログラムが悪用される可能性はゼロではありません。そのため、常に最新の情報を入手し、セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保つなど、私たちは自らを守るための対策を心がける必要があります。
セキュリティ強化

セキュリティ強化の鍵!Sysmonでシステム監視

- システム監視の重要性 現代社会において、情報セキュリティは、企業が事業を継続し、個人が安心して生活を送る上で欠かせない要素となっています。日々、巧妙化するサイバー攻撃は、私達のすぐそこまで迫っており、その対策はもはや待ったなしの状態です。そこで重要となるのが、システム内部の活動を常に監視し、不正アクセスやマルウェア感染などの兆候をいち早く察知する体制です。 システム監視は、セキュリティ対策の基礎となるだけでなく、万が一、セキュリティ上の問題が発生した場合にも、その威力を発揮します。監視によって得られた記録は、問題の原因究明を迅速化し、適切な対策を講じるための手がかりとなります。また、早期発見によって被害を最小限に抑え、速やかな復旧を可能にするなど、企業や個人への影響を軽減する効果も期待できます。 システム監視は、セキュリティ対策の「守り」の側面を強化するだけでなく、問題発生時の「攻め」を支え、安全な情報環境を維持するための重要な役割を担っています。
マルウェア

Stuxnet:サイバー空間の影の兵器

- StuxnetとはStuxnetは、工場やインフラ設備の機器を制御するシステムを狙った、極めて悪質なソフトウェアです。一般的なコンピューターウイルスのように情報を盗んだり、システムを混乱させたりするだけでなく、現実世界の機器に物理的な被害を与える可能性があります。特に、シーメンス社製のSCADAシステムという制御システムに対して、非常に巧妙に攻撃を仕掛けるように設計されています。Stuxnetは、その高度な技術力と攻撃対象の明確さから、世界中に衝撃を与えました。通常のウイルスとは異なり、特定の国、イランの核開発施設の遠心分離機を破壊するという明確な目的のために作られたと考えられています。これは、国家レベルの高度な技術と資源を投入して開発されたことを示唆しており、サイバー攻撃が物理的な破壊や国際的な紛争に発展する可能性を示すものとして、世界に警鐘を鳴らしました。Stuxnetの出現は、現代社会におけるサイバーセキュリティの重要性を改めて認識させる出来事となりました。私たちの生活は、電力、ガス、水道、交通など、様々な重要インフラによって支えられており、これらのシステムに対するサイバー攻撃は、計り知れない被害をもたらす可能性があります。Stuxnetの教訓を活かし、国レベルでの対策はもちろんのこと、企業や個人のレベルでもセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。
マルウェア

急増する情報窃 theft: StealCの脅威

- 新たな脅威、StealC 2023年2月、「StealC」という名の新たな脅威が出現しました。これは、インターネット上の闇市場で「サービスとしてのマルウェア」として売りに出されており、犯罪者たちは容易に入手し悪用できてしまうという特徴を持っています。 StealCは、すでに猛威を振るっているVidar、RaccoonStealer、RedlineStealer、Marsといった情報窃取型マルウェアを参考にして開発されたと言われています。これらのマルウェアは、世界中の企業や個人から大量の重要な情報を盗み出してきました。そしてStealCもまた、同じように大きな脅威を秘めていると言えるでしょう。 StealCは、感染したコンピュータに保存されているパスワードやクレジットカード情報、銀行口座情報などを盗み出す機能を持っています。さらに、仮想通貨のウォレットやブラウザの拡張機能から情報を盗んだり、スクリーンショットを撮ったりすることも可能です。 StealCから身を守るためには、怪しいウェブサイトへのアクセスやメールの添付ファイルの開封を控えるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。また、OSやソフトウェアは常に最新の状態に保ち、セキュリティソフトを導入することも有効な対策となります。 StealCは、私たちの重要な情報を危険にさらす可能性のある、非常に危険な脅威です。日頃から情報セキュリティを意識し、StealCの被害に遭わないよう注意が必要です。
マルウェア

ランサムウェア対策:StealBitとは?

- StealBitの概要StealBitは、利用者の重要な情報を盗み出すことを目的とした悪質なソフトウェアです。このソフトウェアは、身代金を要求するために利用者のデータを暗号化するサイバー攻撃であるランサムウェア攻撃で使用されます。StealBitは、LockBitと呼ばれるランサムウェアを開発した犯罪者グループによって作られました。当初はLockBitと組み合わせて使用されていましたが、その効果の高さから、現在ではBlackMatter、ALPHV、Contiなど、他の悪質なランサムウェアグループもStealBitを使用していることが確認されています。StealBitは、感染したコンピュータに保存されているパスワードやクレジットカード情報、企業秘密などの機密情報を探し出し、犯罪者のサーバーに送信します。犯罪者たちは盗み出した情報を人質にして、被害者に身代金を要求します。さらに、身代金が支払われなかった場合、盗んだ情報を公開したり、他の犯罪者に売却したりすることがあります。StealBitは、高度な技術を用いて開発されており、セキュリティ対策ソフトをくぐり抜ける可能性もあるため、個人利用者はもちろん、企業にとっても深刻な脅威となっています。
脆弱性

Spring4Shell:緊急性の高い脆弱性から学ぶ教訓

- Spring4ShellとはSpring4Shellは、2022年3月に発見された、JavaのSpringフレームワークに潜む重大な脆弱性です。この脆弱性は「CVE-2022-22965」として報告され、悪意のある第三者が遠隔から不正なプログラムを実行することを可能にする危険性をはらんでいます。Javaで開発されたウェブアプリケーションの構築において、Springフレームワークは広く利用されています。そのため、Spring4Shellの影響は世界中の数多くの組織に及び、大きな脅威として認識されました。この脆弱性は、特定の条件下において、攻撃者がSpringフレームワークを通じてサーバー内部のファイルにアクセスすることを許してしまいます。さらに悪用が進めば、機密情報の窃取や、システム全体の制御を奪われる可能性も考えられます。Spring4Shellの発見後、開発元のSpringはすぐに対応策を発表し、問題を修正する更新プログラムを提供しました。この脆弱性による被害を最小限に抑えるためには、Springフレームワークを利用している全ての組織が速やかに更新プログラムを適用することが重要です。
サイバー犯罪

リモートデスクトップツール「Splashtop」の脅威

- リモートデスクトップツールとは リモートデスクトップツールとは、物理的に離れた場所にあるコンピュータに、ネットワークを介して接続し、まるで自分のコンピュータのように操作できるソフトウェアのことです。 自宅のパソコンから会社のパソコンへアクセスしたり、外出先から自宅のパソコン内のファイルを確認したりと、場所にとらわれず作業ができるようになる便利なツールです。また、遠隔地にいる人に操作方法を教えながら技術的なサポートを提供したり、複数のコンピュータの管理を一括して行ったりすることも可能です。 近年では、リモートワークの普及に伴い、多くの企業や個人がこのリモートデスクトップツールを利用するようになりました。場所や時間にとらわれず柔軟な働き方ができるという点で、リモートデスクトップツールは現代の働き方において重要な役割を担っていると言えるでしょう。
脆弱性

Spring4Shell: ウェブを守るための必須知識

- はじめにと題して 昨今、インターネット上における危険が増加し続けており、会社や個人がそれぞれの情報を守る対策を講じることはとても大切なこととなっています。もはや、インターネットは生活に欠かせないものとなっており、その利用は年々増加しています。しかし、利便性が高まる一方で、悪意を持った攻撃者による脅威も増加しており、セキュリティ対策の重要性はかつてないほど高まっています。 インターネットを利用する際には、常に危険と隣り合わせであることを意識し、自らの身を守るための知識と行動が必要です。 今回は、2022年に大きな話題となった弱点である「Spring4Shell」について説明します。 この「Spring4Shell」は、多くの利用者を持つJavaのフレームワーク「Spring Framework」における脆弱性であり、攻撃者がこの弱点をつくことで、情報を盗み見たり、システムを操作したりすることが可能となります。 このような脆弱性を放置することは、家屋の鍵をかけずに放置することと同様に危険です。 この記事では、「Spring4Shell」がどのような仕組みで悪用されるのか、そしてどのように対策すればよいのかを具体的に解説することで、読者の皆様が安全なデジタル環境を構築するための一助となれば幸いです。
サイバー犯罪

リモートデスクトップツール「Splashtop」の脅威

- リモートデスクトップツールとはリモートデスクトップツールとは、インターネットなどのネットワークを介して、離れた場所にあるコンピュータを操作できる便利なソフトウェアです。まるでその場にいるかのように、別の場所にあるコンピュータの画面を表示させ、キーボードやマウスを使って操作することができます。例えば、自宅のパソコンから会社のパソコンにアクセスして、必要なファイルを開いたり、メールを確認したりすることが可能です。また、外出先から自宅のパソコンにアクセスして、必要なデータを取り出したり、ソフトウェアを起動したりすることもできます。近年、場所を選ばずに仕事ができるテレワークが普及したことに伴い、リモートデスクトップツールの利用が急速に増えています。このツールを使うことで、会社に出勤せずに自宅やコワーキングスペースなど、自分の好きな場所で仕事をすることが可能になります。リモートデスクトップツールには、Windowsに標準搭載されている「リモートデスクトップ接続」や、様々な機能が充実した「TeamViewer」「AnyDesk」「Chrome リモート デスクトップ」など、多くの種類があります。 利用する環境や目的に合わせて、最適なツールを選ぶことが大切です。
脆弱性

知っておきたいSpectre攻撃の脅威

- 現代社会におけるCPUの重要性 現代社会において、コンピューターはもはや無くてはならない存在となっています。職場や学校での作業はもちろんのこと、買い物や娯楽、友人とのコミュニケーションに至るまで、あらゆる場面でコンピューターが活躍しています。そして、そのコンピューターの頭脳とも言うべき心臓部がCPUです。 スマートフォンやパソコン、そしてインターネットを支えるサーバーまで、あらゆるコンピューター内部にCPUは存在し、私たちが意識することなく膨大な量の情報を処理しています。インターネットで情報を検索する、美しい映像を楽しむ、友人とメッセージをやり取りする、こうした日々の行動一つひとつがCPUの働きによって支えられているのです。 CPUの性能は年々向上しており、処理速度は飛躍的に速くなっています。それに伴い、かつては不可能だった複雑な計算や高度な処理も瞬時にこなせるようになり、私たちの生活はより便利で豊かなものになりました。しかし、その一方で、CPUの性能向上は新たな課題も生み出しています。 高性能なCPUは、不正なプログラムを高速に実行してしまう可能性も秘めているため、サイバー攻撃の脅威を増大させる危険性も孕んでいます。そのため、CPUの進化と共に、セキュリティ対策も進化させていく必要があります。
脆弱性

危険な脆弱性「Spring4Shell」からWebサービスを守るには

- Spring4Shellとは-Spring4Shellとは、2022年3月に発見された、JavaのSpringフレームワークというソフトウェア開発キットに存在していた、深刻な脆弱性のことです。- CVE-2022-22965という識別番号が付けられたこの脆弱性は、悪用されると、攻撃者が外部から不正なコードを実行できてしまう可能性があります。 Springフレームワークは、企業向けの大規模なアプリケーションから、ウェブサイトの機能を提供するウェブサービスまで、多岐にわたるJavaアプリケーションで広く利用されているため、Spring4Shellの影響は非常に広範囲に及びます。 例えるなら、Springフレームワークは建物の基礎構造のようなものであり、多くの建物がこの基礎構造の上に建てられています。Spring4Shellは、この基礎構造に発見された欠陥のようなものであり、この欠陥を悪用されると、建物のセキュリティが根本から脅かされ、住人や財産に危害が及ぶ可能性があります。 そのため、Springフレームワークを使用している場合は、早急にこの脆弱性に対する対策を講じる必要があります。具体的には、開発元の提供するセキュリティアップデートを適用することが重要です。また、Spring4Shellの影響を受ける可能性のあるシステムを特定し、セキュリティ対策が適切に実施されていることを確認することが重要です。
サイバー犯罪

リモートデスクトップツール「Splashtop」の脅威

- リモートデスクトップツールとはリモートデスクトップツールとは、お手持ちのスマートフォンや別のコンピュータを使って、まるで目の前にあるかのように離れた場所にあるコンピュータを操作できる便利なソフトウェアです。例えば、自宅や外出先から会社のコンピュータ内のファイルにアクセスしたり、遠隔地でトラブルを抱えている家族や友人に画面を共有しながら技術的なサポートを提供したりする際に活用できます。近年、場所にとらわれずに働くテレワークが普及するにつれて、自宅から会社のコンピュータにアクセスするための手段として、リモートデスクトップツールの利用がますます増加しています。このツールは、インターネットに接続された二つのコンピュータ間を繋ぎ、操作する側の端末の画面に、操作される側の端末の画面を映し出すことで実現されます。キーボードやマウスの入力もそのまま送信されるため、実際にその場にいるかのように作業を行うことが可能です。リモートデスクトップツールには、Windowsに標準搭載されているものから、セキュリティや機能面で充実した商用サービスまで、様々な種類があります。利用シーンや目的に合わせて最適なツールを選ぶことが大切です。
脆弱性

知っておくべきCPUの脆弱性: Spectre攻撃

現代社会において、コンピュータは私たちの生活に欠かせない存在となっています。パソコン、スマートフォン、家電製品など、あらゆる場所にコンピュータが組み込まれ、私たちの生活をより便利で快適なものにしてくれています。そして、これらのコンピュータの心臓部として、すべての動作を制御しているのがCPU(中央処理装置)です。 CPUは、人間でいうところの脳に例えられます。データの処理や計算、プログラムの実行など、コンピュータが行うあらゆる作業を、CPUが指示を出して制御しています。このCPUの性能が高ければ高いほど、コンピュータはより多くの情報を高速に処理することができるため、処理速度や効率性が向上します。 例えば、高性能なCPUを搭載したパソコンは、複雑な計算を要するデータ分析や、高画質の動画編集などもスムーズに行うことができます。また、スマートフォンであれば、最新のゲームアプリを快適にプレイしたり、複数のアプリを同時に起動しても動作が遅くなることなく使用することができます。 このように、CPUは現代社会において、コンピュータの性能を左右する非常に重要な役割を担っています。CPUの進化は、コンピュータの進化、ひいては私たちの生活の進化にも繋がっていると言えるでしょう。
脆弱性

進化するSpectre脅威:Spectre-BHBとは

現代社会において、コンピュータは日常生活に欠かせないものとなっています。家の中でも外出先でも、あらゆる場面でコンピュータが活躍し、私たちの生活を支えています。しかし、そのコンピュータの心臓部とも言えるCPUにも、私たちを危険にさらす可能性のある脆弱性が存在します。 近年、こうしたCPUの脆弱性を悪用した攻撃が増加しており、その脅威は深刻化しています。従来のセキュリティ対策では、こうしたCPUレベルの脆弱性に対応することが難しく、根本的な対策が求められています。 CPUの脆弱性を突いた攻撃は、個人情報や機密情報の窃取、コンピュータシステムの乗っ取りなど、甚大な被害をもたらす可能性があります。そのため、一人ひとりが危機意識を持ち、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。 具体的には、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つこと、信頼できるセキュリティソフトを導入することが有効な対策となります。また、怪しいウェブサイトへのアクセスや不審なメールの開封は控え、コンピュータウイルス感染のリスクを減らすことも大切です。
脆弱性

Spring4Shell:緊急性の高い脆弱性から学ぶ

- はじめにと題して 昨今、企業や組織にとって、顧客情報の保護やシステムの安定稼働といった観点から、情報セキュリティ対策の重要性がますます高まっています。特に、インターネットに接続されたシステムやアプリケーションは、世界中の攻撃者から常に狙われており、その中に潜む脆弱性は、まさにセキュリティの穴と言えます。攻撃者は、この脆弱性を突いてシステムに侵入し、機密情報などの窃取や改ざん、サービスの妨害といった悪事を働きます。このような被害は、企業の信頼失墜や経済的な損失に繋がりかねず、その影響は計り知れません。 そこで今回は、2022年末に大きな話題となり、多くの組織に影響を与えた「Spring4Shell」と呼ばれる脆弱性を例に挙げ、その脅威と対策について詳しく解説していきます。この脆弱性は、広く利用されているJavaのフレームワーク「Spring Framework」において発見され、攻撃者に悪用されると、遠隔からシステムを乗っ取られる可能性も指摘されました。深刻な事態を招く前に、まずはその仕組みや影響範囲、そして具体的な対策方法を理解することが重要です。
サイバー犯罪

リモートワークの落とし穴:SplashtopとEmotetの脅威

- リモートデスクトップツール Splashtopとは 近年、働き方改革やパンデミックの影響で、自宅や外出先など、オフィス以外で仕事をする機会が増えています。このような場所を選ばない働き方を「リモートワーク」と呼びますが、このリモートワークを支える技術の一つに「リモートデスクトップツール」があります。 リモートデスクトップツールとは、インターネットを経由して離れた場所にあるパソコンに接続し、まるで目の前にあるかのように操作できる便利なソフトウェアです。その中でも、Splashtopは、多くの企業や個人から支持を集めている人気の高いツールです。 Splashtopを使うと、自宅のパソコンから会社のパソコンにアクセスして仕事をすることや、外出先から自宅のパソコンに保存したファイルにアクセスすることなどが可能になります。 Splashtopの魅力は、その使いやすさと高機能さにあります。初心者の方でも簡単に利用できるように設計されているだけでなく、セキュリティ面も充実しており、安心して利用することができます。さらに、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からも利用できるため、場所を選ばずにパソコンを操作することができます。 このように、Splashtopは、リモートワークを快適にするだけでなく、様々な場面で活躍する便利なツールです。
脆弱性

知っておきたいSpectre攻撃:その脅威と対策

- Spectre攻撃とは Spectre攻撃は、コンピュータの頭脳とも言えるプロセッサの内部動作の隙を突いて、本来アクセスが許されていない情報を盗み出す攻撃です。 2018年に初めて公表されたこの攻撃は、世界中に大きな衝撃を与えました。現代のコンピュータは、処理速度を向上させるため「投機的実行」という技術を広く採用しています。これは、プログラムが必要とするであろう情報をあらかじめ予測して処理しておくことで、処理全体の高速化を図る技術です。 Spectre攻撃は、この「投機的実行」という便利な仕組みが持つ、セキュリティ上の弱点につけこみます。攻撃者は、この脆弱性を悪用することで、パスワードや暗号鍵などの重要な情報にアクセスできてしまう可能性があります。 Spectre攻撃は、特定のソフトウェアの欠陥ではなく、プロセッサの設計そのものに潜む問題であるため、根本的な解決が難しいという特徴があります。このため、OSやソフトウェアのアップデートなどで対策を施す必要があります。
脆弱性

見えない脅威:Spectre-BHBとは

現代社会において、コンピュータは日常生活に欠かせないものとなっています。情報を処理したり、インターネットに接続したり、様々な場面で活躍しています。 そのコンピュータの心臓部ともいえるのがCPUです。CPUは、複雑な計算を高速に行うことで、私たちが普段何気なく使っているアプリケーションを支えています。 しかし、どんなに高性能なCPUにも、設計上のわずかな隙が存在する可能性があります。Spectre-BHBは、まさにそのCPUの隙を突いた攻撃手法なのです。 Spectre-BHBは、CPUの処理速度を向上させるために用いられる「分岐予測」という仕組みを悪用します。 通常、CPUはプログラムの命令を順番に実行していきますが、「分岐予測」は、次に実行される可能性の高い命令をあらかじめ予測して処理を進めることで、処理の効率化を図っています。 Spectre-BHBは、この「分岐予測」を巧みに操作することで、本来アクセスできないはずのメモリ領域の情報を読み取ることができるのです。 機密情報を含むメモリ領域にアクセスされてしまうと、情報漏えいにつながる危険性があります。