SBOM

セキュリティ強化

企業を守るOSPO:オープンソース活用とセキュリティ強化の鍵

- オープンソースソフトウェアの重要性現代のソフトウェア開発において、無料で利用でき、ソースコードを自由に改変・再配布できるオープンソースソフトウェアは、必要不可欠な要素となっています。従来の開発手法と比較して、オープンソースソフトウェアは開発コストの大幅な削減を実現します。これは、ソフトウェアの基盤となる部分を無償で利用できるためです。また、世界中の開発者によって開発が進められているため、開発期間の短縮にも繋がります。さらに、既に公開されているコードを参考にできるため、開発者は新たな視点や技術を習得することができます。このように、数多くのメリットをもたらすオープンソースソフトウェアは、企業の競争力向上に大きく貢献します。しかし、オープンソースソフトウェアの利用には、注意すべき点も存在します。例えば、ソフトウェアの利用許諾であるライセンスについて、それぞれのソフトウェアに定められた条件を遵守する必要があります。また、セキュリティ対策も重要となります。悪意のあるコードが組み込まれている可能性も考慮し、脆弱性情報やセキュリティアップデートには常に注意を払う必要があります。さらに、品質についても注意が必要です。オープンソースソフトウェアは、必ずしも高い品質が保証されているわけではありません。そのため、利用前に十分な検証を行うことが重要となります。これらの課題を適切に管理することで、オープンソースソフトウェアは開発効率の向上、コスト削減、技術力の向上など、企業にとって大きな利益をもたらす強力なツールとなります。
セキュリティ強化

複雑化するソフトウェア開発における新たな脅威:サプライチェーンリスク

- ソフトウェア開発の舞台裏サプライチェーンとは 皆さんは、日頃何気なく使っているソフトウェアが、どのように作られているか考えたことはありますか?実は、ソフトウェア開発は、多くの工程と関係者が複雑に絡み合った、巨大な製造工場のようなものなのです。この複雑な工程全体を指す言葉が「ソフトウェア・サプライチェーン」です。 ソフトウェア開発は、プログラマーがコードを書くだけの単純作業ではありません。例えるなら、家を作るために、建築士が設計図を描き、大工さんが木材を組み立て、電気工事士が配線をするように、様々な専門家や材料、工程を経て、ひとつのソフトウェアが完成します。 ソフトウェア・サプライチェーンには、まず、開発者がコードを書くための開発環境や、ソフトウェアが動作するOS、ハードウェアといった土台が必要です。そして、近年では、データの保存や処理を外部に委託するクラウドサービスも欠かせない要素となっています。 もちろん、ソフトウェアの心臓部であるコード自体も、開発者によって書かれたプログラムだけでなく、世界中の開発者によって共有されているオープンソース・プロジェクトのコードなども利用されます。これらのコードは、リポジトリと呼ばれる保管庫で管理され、安全性を保証するためにコード署名が行われます。 さらに、ソフトウェアが完成した後も、保守やアップデートなど、利用者に安心して使い続けてもらうための取り組みが続きます。このように、ソフトウェア開発は、開発開始から運用、そして利用者の手に渡るまで、長く複雑な道のりを辿るのです。そして、この一連の流れを支えるのが「ソフトウェア・サプライチェーン」なのです。
脆弱性

ソフトウェアセキュリティの進化:VEXが導く未来

- 脆弱性情報の標準化 現代社会において、ソフトウェアはあらゆる場面で利用され、私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、便利な反面、ソフトウェアには思わぬ落とし穴、すなわち脆弱性が潜んでいることがあります。この脆弱性を悪用した攻撃は、情報漏えいやシステム障害など、私たちに大きな被害をもたらす可能性があります。 このような被害から私たちを守るための重要な鍵となるのが、ソフトウェアの脆弱性に関する情報を共有し、いち早く対策を講じることです。しかし、脆弱性情報は発信元によってその記述方法が異なり、情報を利用しづらいという問題がありました。 そこで登場したのがVEXです。VEXはVulnerability Exploitability eXchangeの略称で、アメリカの商務省国家電気通信情報庁(NTIA)が定めた、ソフトウェアの脆弱性に関する情報を記述するための共通フォーマットです。 VEXを用いることで、脆弱性情報を発信する側も受け取る側も、情報を統一された形式で扱うことができ、内容の理解や分析にかかる時間や労力を大幅に削減することができます。その結果、より迅速かつ的確な対策を講じることが可能となり、私たちをサイバー攻撃の脅威から守ることに繋がります。
セキュリティ強化

オープンセキュリティ:協調による堅牢なセキュリティ体制の構築

- オープンセキュリティとは 従来の情報セキュリティは、システムの弱点やセキュリティ対策の内容を隠すことで、攻撃を防ぐという「隠蔽によるセキュリティ」が一般的でした。しかし、技術の進歩や攻撃方法の巧妙化により、隠すだけでは限界があることが分かってきました。 オープンセキュリティは、このような状況を踏まえ、情報セキュリティの分野において、システムやソフトウェアの設計、開発、運用の情報を公開し、多くの人に見てもらうことで、セキュリティの向上を目指す考え方です。 具体的には、プログラムの設計図にあたるソースコードを公開したり、システムの脆弱性に関する情報を広く共有したりします。 このように情報をオープンにすることで、様々なメリットが生まれます。 * 世界中の技術者から、システムの脆弱性に関する指摘や改善提案が得られるため、より安全なシステムを構築できます。 * セキュリティ対策の内容がオープンになることで、企業や組織は、自社のセキュリティ対策が適切かどうかを客観的に評価できます。 * 情報公開によって、セキュリティに関する意識が高まり、より安全な情報システムの利用や開発が促進されます。 オープンセキュリティは、従来の「隠蔽によるセキュリティ」から、「開かれた環境でのセキュリティ」への転換を意味しており、これからの情報セキュリティにおいて重要な考え方と言えるでしょう。
セキュリティ強化

ソフトウェアの部品表、SBOMとは

- ソフトウェアの複雑化とセキュリティリスク現代社会において、ソフトウェアは家電製品から自動車、社会インフラに至るまで、あらゆる場面で利用され、私たちの生活に欠かせないものとなっています。もはやソフトウェアなしに日常生活を送ることは想像もできないほど、私たちは深く依存しています。しかし、それと同時にソフトウェアの構造は複雑化の一途を辿っており、セキュリティリスクも増大しているという現状があります。かつては限られた開発者によって開発されていたソフトウェアは、今日では世界中の開発者が共同で開発するオープンソースソフトウェアや、特定の機能を提供する外部の企業が開発したソフトウェア部品であるサードパーティ製のコンポーネントを広く利用する形が一般的です。これは開発効率の向上や開発コストの削減に大きく貢献してきましたが、反面、ソフトウェアの構造を複雑化させ、セキュリティ上の課題を生み出す要因ともなっています。特に、オープンソースソフトウェアやサードパーティ製のコンポーネントは、その開発元や利用状況を完全に把握することが困難な場合があります。そのため、意図せず脆弱性を含むソフトウェアを採用してしまい、セキュリティ上のリスクを抱え込んでしまう可能性も否定できません。また、ライセンスに関しても、使用許諾条件をよく確認せずに利用してしまうと、意図せず法的な問題に発展してしまう可能性もあります。ソフトウェアの複雑化は、現代社会における利便性と引き換えに生まれた新たな課題といえます。私たちはソフトウェアの恩恵を享受する一方で、その潜在的なリスクを正しく理解し、適切なセキュリティ対策を講じる必要性が高まっていると言えるでしょう。