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セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本: 職務の分離とは?

- 職務の分離とは-業務の担当を細分化し、それぞれ異なる人に割り当てることで、不正リスクを減らす-のが、職務の分離です。一人の担当者が、ある業務の開始から終了まで、すべての権限と責任を持つ状況は、不正が発生しやすく、また、不正が発生しても、それを発見することが難しくなります。 例えば、ある人が商品の発注と支払い業務の両方を担当できるとします。この場合、架空の注文をでっち上げ、会社のお金を不正に得ることができてしまいます。しかし、発注と支払いの担当者が異なれば、このような不正は難しくなります。職務の分離は、情報システムへのアクセス権限だけでなく、業務プロセス全体に適用することが重要です。例えば、経理業務では、現金の管理、会計帳簿への記帳、銀行との取引などをそれぞれ異なる担当者に割り当てることで、不正や誤りのリスクを大幅に減らすことができます。職務の分離は、不正の抑止効果だけでなく、業務の効率化や専門性の向上にもつながります。担当業務を限定することで、各担当者は、自分の業務に集中しやすくなり、専門知識やスキルを深めることができます。企業は、職務の分離を適切に実施することで、不正リスクの低減、業務効率の向上、専門性の向上といった多くのメリットを得ることができます。
データ保護

情報漏洩の脅威から企業を守る

- 情報漏洩とは情報漏洩とは、企業などが保有する顧客の個人情報や企業秘密といった、本来は外部に漏れてはならない重要な情報が、第三者に流出してしまったり、外部から不正にアクセスされてしまうことを指します。情報漏洩には、顧客の氏名や住所、電話番号といった個人情報から、企業の財務状況、技術情報、顧客リストといった機密情報まで、実に様々なものが含まれます。漏洩の規模も、数件の個人情報から、数百万件、数千万件規模の大規模なものまで、ケースバイケースです。情報漏洩は、企業の信頼を失墜させるだけでなく、顧客や取引先に多大な損害を与える可能性があります。例えば、個人情報が漏洩した場合、被害者はなりすまし被害や金銭的な損害を受ける可能性があります。また、企業秘密が漏洩した場合、競争力の低下や事業の存続に関わるような深刻な事態に発展する可能性もあります。情報漏洩の原因は、従業員の不注意や管理体制の不備、サイバー攻撃など、多岐に渡ります。そのため、企業は情報漏洩対策を総合的に講じ、重要な情報を厳重に管理することが求められます。
セキュリティ強化

情報セキュリティポリシーの重要性

- 情報セキュリティポリシーとは企業や組織にとって、顧客情報や企業秘密といった重要な情報は、その価値を維持するために守られるべきものです。このような重要な情報を様々な脅威から守り、安全性を確保するための基本的な方針や行動指針をまとめた文書を、情報セキュリティポリシーと呼びます。情報セキュリティポリシーは、組織で働く人全員が情報セキュリティについて共通の認識を持ち、統一的な対策を行うために必要不可欠です。この文書では、電子メールやインターネットの適切な利用方法、パスワード管理の重要性、個人情報の取り扱い方など、具体的な行動指針が明記されています。例えば、業務で使用するパスワードを定期的に変更することや、不審なメールを開封しないこと、重要な情報を不用意に持ち出さないことなどが具体的に示されます。これらのルールを定めることで、情報漏えいやウイルス感染などのリスクを軽減し、組織全体のセキュリティレベル向上を目指します。情報セキュリティポリシーは、ただ作成して終わりではなく、定期的な見直しや改善が必要です。これは、情報技術の進化や新たな脅威の出現、法令の改正などに合わせて、内容を最新の状態に保つ必要があるためです。組織全体で情報セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を継続的に実施していくことが重要です。
セキュリティ強化

情報セキュリティサービス選びの羅針盤:サービス基準適合リストのススメ

- 情報セキュリティサービスの重要性現代社会において、企業活動は情報技術と密接に関係しており、顧客情報や企業秘密といった重要な情報資産を多く抱えています。これらの情報資産は、企業の競争力を支える重要な要素であると同時に、サイバー攻撃や情報漏洩の脅威にもさらされています。もしも、情報漏洩やシステム障害が発生した場合、企業は信頼失墜や経済的な損失といった深刻なダメージを受ける可能性があります。このような事態を避けるためには、企業は強固な情報セキュリティ対策を講じることが不可欠です。しかし、情報セキュリティ対策には、専門的な知識や技術、最新の脅威情報への対応など、多くの資源と労力が必要となります。限られた資源と人員を抱える企業にとって、自社だけで万全なセキュリティ体制を構築・運用することは容易ではありません。そこで、情報セキュリティサービスの活用が重要となります。情報セキュリティサービスを提供する専門企業は、高度な技術力と豊富な経験を持つセキュリティ専門家チームを擁し、最新の脅威情報やセキュリティ対策技術を常に把握しています。企業は、これらの専門企業が提供するサービスを活用することで、自社のセキュリティレベルを効率的に向上させることが可能となります。情報セキュリティサービスは、もはや一部の大企業だけのものではなく、あらゆる規模や業種の企業にとって、事業継続と成長を支える重要な要素になりつつあります。
データ保護

情報セキュリティの基礎: CIAとは?

- 情報セキュリティのCIAとは 情報を取り扱う上で、安全性を確保することは非常に重要です。そのための基本的な考え方として、「情報セキュリティのCIA」と呼ばれるものがあります。これは、機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)の頭文字をとったもので、情報セキュリティ対策において欠かせない3つの要素を示しています。 まず「機密性」とは、許可された人だけが情報にアクセスできる状態を指します。例えば、企業の機密情報や個人のプライバシー情報などは、アクセス権を持つ一部の人以外が見ることができないように保護する必要があります。 次に「完全性」とは、情報が正確で完全な状態であることを保証することを意味します。情報が不正に改ざんされたり、破壊されたりすることがないよう、適切な対策を講じる必要があります。これは、例えば電子契約書の改ざんや、銀行口座情報の不正操作などを防ぐために重要です。 最後に「可用性」は、許可された人が必要な時に情報にアクセスできる状態を指します。情報システムが停止したり、データが消失したりすると、業務に支障をきたす可能性があります。そのため、システムの安定稼働やデータのバックアップなど、情報へのアクセスを維持するための対策が求められます。 これらの3つの要素は、国際標準規格であるJISQ27001(ISO/IEC27001)にも定義されており、情報セキュリティ対策の基本原則として世界中で広く認識されています。情報セキュリティを確保するためには、これらの要素をバランスよく考慮し、適切な対策を講じることが重要です。
認証

証明書認証:安全なアクセスを実現する技術

- 証明書認証とは証明書認証は、インターネット上でやり取りされる情報が、正しい相手のものであるか、改ざんされていないかを保証するための仕組みです。その仕組みは、ちょうど私たちが重要な書類に印鑑を押して、本人確認や改ざん防止をするのと似ています。証明書認証では、「電子証明書」と呼ばれる電子データを使います。この電子証明書は、インターネット上のパスポートのようなもので、発行元となる認証機関によって発行されます。認証機関は、証明書の所有者が実在し、信頼できることを保証する役割を担っています。電子証明書には、所有者の情報(氏名やメールアドレスなど)と、公開鍵と呼ばれる暗号化のための情報が記録されています。この公開鍵と対になる秘密鍵は、所有者だけが厳重に管理します。ウェブサイトにアクセスする際などに証明書認証が使われている場合、ウェブサイトからユーザーのパソコンに電子証明書の情報が送られます。ユーザーのパソコンは、受け取った情報と、予め登録されている認証機関の情報と照らし合わせて、証明書の正当性を確認します。もし、証明書が偽物だったり、改ざんされていたりした場合は、警告が表示され、接続が遮断されます。このように、証明書認証は、電子署名やウェブサイトの安全な通信などに広く利用されており、インターネットにおけるセキュリティ確保に重要な役割を担っています。
脆弱性

見落としがちな脅威:書式文字列攻撃とは?

- 書式文字列攻撃の概要書式文字列攻撃とは、プログラムのセキュリティ上の欠陥を突いた攻撃手法の一つです。一見何でもない普通の文字列を入力として利用しますが、実際にはプログラムの動作に影響を与える特殊な文字列を含んでいます。この特殊な文字列を「書式文字列」と呼びます。プログラムは、ユーザーからの入力を受け取り、それを元に処理を行うことがよくあります。例えば、ユーザーの名前を入力すると、プログラムはその名前を表示したり、データベースに保存したりします。しかし、悪意のある攻撃者が、プログラムが想定していない書式文字列を入力すると、プログラムは本来とは異なる動作をしてしまう可能性があります。例えば、攻撃者は書式文字列を使って、プログラムのメモリ上に保存されている重要な情報を盗み見たり、プログラムの動作を改ざんして、攻撃者にとって都合の良いようにプログラムを操作したりすることができてしまいます。書式文字列攻撃は、1999年頃に発見され、当時大きな注目を集めました。今日でも、この攻撃手法は依然として有効であり、多くのソフトウェアで発見されています。書式文字列攻撃からシステムを守るためには、プログラムが受け取る入力データを適切にチェックし、危険な文字列を無効化する必要があります。また、最新のセキュリティパッチを適用して、システムを常に最新の状態に保つことも重要です。
データ保護

安全な暗号化に必須! 初期化ベクトルの役割と重要性

- 暗号化における共通の課題現代社会において、インターネットを介した情報通信は日常生活に欠かせないものとなっています。私達が日々利用するオンラインサービスやアプリケーションでは、個人情報や機密情報など、重要なデータが大量にやり取りされています。このような状況下において、情報の機密性を保持するために重要な技術が暗号化です。暗号化とは、情報を第三者が理解できないように変換する技術であり、たとえ情報が漏洩した場合でも、内容を解読できないように保護することができます。しかし、暗号化は万能な解決策ではありません。暗号化を行う際に注意すべき点の一つに、同じ鍵を用いて同じ情報を繰り返し暗号化しないということが挙げられます。もし、同じ鍵で同じ情報を繰り返し暗号化してしまうと、暗号文に一定のパターンが生じてしまう可能性があります。これは、攻撃者にとって暗号を解読するための大きなヒントとなり、セキュリティ上のリスクとなります。例えば、あなたが毎日同じ時間に、同じ内容のメッセージを暗号化して送信する場合を考えてみましょう。この場合、攻撃者は暗号文のパターンを分析することで、メッセージの内容を推測できる可能性があります。暗号化の安全性は、使用する暗号アルゴリズムの強度と鍵管理の適切さに依存します。そのため、安全な暗号化を行うためには、強力な暗号アルゴリズムを使用することはもちろんのこと、鍵管理にも十分注意する必要があります。特に、同じ鍵を繰り返し使用することは避け、定期的に鍵の更新を行うことが重要です。
サイバー犯罪

知らない間に加害者に?住宅用プロキシとサイバー攻撃

- 住宅用プロキシとはインターネットを利用する際、私たちの端末はネットワーク上で自分の場所を示すための住所のようなものを持っています。これをIPアドレスと呼びます。ウェブサイトを見たり、メールを送ったりする際に、このIPアドレスは相手に伝わります。ウェブサイト側はこのIPアドレスを見ることで、アクセスしてきた人がどこの誰なのかをある程度特定することができます。住宅用プロキシとは、本来のIPアドレスを隠して、あたかも一般家庭からインターネットに接続しているかのように見せかける技術です。例えば、会社やカフェのインターネット回線を利用してウェブサイトを見ている場合でも、住宅用プロキシを経由することで、自宅からアクセスしているように見せかけることができます。なぜこのような技術が使われるかというと、ウェブサイトによっては、アクセス元の場所や環境によって表示内容を変えたり、アクセスを制限したりすることがあるためです。例えば、動画配信サービスの中には、特定の国からのアクセスしか受け付けていないものがあります。このような場合、住宅用プロキシを利用することで、本来アクセスできない地域からでもサービスを利用できる可能性があります。しかし、住宅用プロキシを利用する際には注意が必要です。悪意のある第三者が運営するプロキシを経由してしまうと、個人情報が盗み取られたり、意図しない情報に誘導されたりする可能性があります。信頼できるプロキシサービスを利用することが重要です。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本!修正プログラムでリスク軽減

インターネットに接続された機器は、常に危険にさらされています。まるで、鍵のかかっていない家に住んでいるようなものです。犯罪者は、常に侵入する隙を狙っています。その侵入経路となるのが、ソフトウェアの欠陥です。 修正プログラムは、その欠陥を塞ぐための鍵のようなものです。 修正プログラムを適用することで、犯罪者から大切な家である機器や、そこに保管されている写真や書類などの重要なデータを守ることができます。 しかし、鍵を交換しても、古い鍵を使い続けていては意味がありません。犯罪者は、古い鍵の複製を持っている可能性があります。 修正プログラムも同様に、常に最新のものに更新することが重要です。新しい鍵を手に入れたら、すぐに交換するようにしましょう。 修正プログラムは、ソフトウェア会社が無料で提供していることがほとんどです。 定期的にソフトウェアの更新を確認し、修正プログラムが公開されていれば、速やかに適用するようにしましょう。 セキュリティ対策ソフトを導入することも、効果的な対策の一つです。 安心で安全なデジタルライフを送るために、修正プログラムを適切に管理しましょう。
認証

セキュリティ対策の基本: 識別符号の重要性

- 識別符号とは識別符号とは、コンピューターやシステムを利用する一人ひとりに割り当てられる、その人を特定するための符号のことです。ウェブサイトのアカウントを作成する際に設定するユーザー名やIDも、この識別符号にあたります。識別符号は、コンピューターの世界で「あなた」が誰なのかを判別し、適切なサービスを提供するために必要不可欠です。例えば、インターネットバンキングを利用する際に入力するIDとパスワードは、あなたが正規の利用者であることを確認し、あなたの預金情報を他の誰にも見られないように保護する役割を担っています。識別符号は、不正アクセス禁止法という法律でも重要な要素として位置付けられています。この法律は、他人の識別符号を勝手に使ってコンピューターにアクセスすることを禁じており、違反者には厳しい罰則が科せられます。システム管理者は、この識別符号を用いて、誰がどの情報にアクセスできるのかを細かく設定します。これはアクセス管理と呼ばれ、情報漏えいや不正アクセスを防ぐための重要なセキュリティ対策の一つです。このように、識別符号は、私たちが安全に安心してコンピューターやインターネットを利用するために、なくてはならないものです。
サイバー犯罪

知っていますか?辞書攻撃の脅威

- 辞書攻撃とは辞書攻撃とは、ウェブサイトやシステムへの不正アクセスを試みるサイバー攻撃の一つです。攻撃者は、パスワードなどの認証情報を突破するために、あらゆる可能性のある文字の組み合わせを記したリスト、いわば「辞書」を用います。この「辞書」には、一般的な単語やフレーズ、誕生日、ペットの名前など、人がパスワードとして使いそうなものが網羅されています。さらに、過去のデータ漏洩で流出したパスワードや、よく使われるパスワードの組み合わせなども含まれている可能性があります。攻撃者は、この「辞書」に記載された単語や文字列を一つずつ、あるいは少し変化を加えながら自動的に入力し、正しいパスワードを突き止めようとします。コンピュータの処理能力の向上により、膨大な数の組み合わせを高速で試行することが可能になったため、辞書攻撃は依然として大きな脅威となっています。特に、推測しやすいパスワードや、複数のサービスで同じパスワードを使い回している場合は、辞書攻撃の格好の標的となってしまいます。セキュリティ対策としては、複雑なパスワードを設定すること、異なるサービスで同じパスワードを使い回さないことが重要です。また、パスワードマネージャーの利用や二段階認証の導入も有効な対策となります。
マルウェア

知っていますか?自動送金システムの脅威

近年、インターネットを通じて銀行取引を行うオンラインバンキングは、時間や場所を問わず利用できる利便性から、多くの人に利用されています。しかし、その利便性の裏側では、巧妙化する様々な脅威が存在することを忘れてはなりません。中でも、近年大きな問題として深刻化しているのが「自動送金システム」を用いた犯罪です。 まるでSF映画に登場するような近未来的な響きを持つこのシステムは、残念ながら現実のものとなっています。これは、利用者のオンラインバンキングのアカウント情報やパスワードを不正に取得し、外部から不正なプログラムを送り込むことで、ユーザーが気づかないうちに銀行口座からお金を自動的に送金してしまうという、極めて悪質なものです。 具体的な手口としては、偽のウェブサイトに誘導して個人情報を入力させる「フィッシング詐欺」や、コンピュータウイルスを仕込んだメールを送りつける「メール詐欺」など、様々な方法が用いられています。一度でもこれらの罠にかかってしまうと、自身の銀行口座が悪意のある第三者に支配され、大切な預金を根こそぎ奪われてしまう可能性も否定できません。 このような脅威から身を守るためには、セキュリティソフトの導入やOS・アプリの最新状態の維持はもちろんのこと、不審なメールやウェブサイトには決してアクセスしない、オンラインバンキングのパスワードを定期的に変更するなど、利用者一人ひとりが高いセキュリティ意識を持って自己防衛に努めることが重要です。
セキュリティ強化

自衛隊サイバー防衛隊:日本のサイバーセキュリティを守る守護者

近年、インターネットやコンピュータネットワークを通じて、企業や政府機関などを標的にした攻撃が増加しており、世界中で深刻な問題となっています。 特に、国家やそれに準ずる組織による攻撃は、高度な技術と豊富な資源を駆使しているため、その脅威は極めて深刻です。彼らは、機密情報や軍事技術の窃取、あるいは電力網や金融システムといった社会インフラの機能麻痺などを目的として、執拗な攻撃を仕掛けてきます。 我が国も例外ではなく、防衛省や自衛隊もこれらの攻撃の標的となり得ます。もし、防衛システムや兵器の制御システムがサイバー攻撃によって妨害されれば、国の安全保障に重大な影響が及ぶ可能性も否定できません。 このような事態を避けるため、我が国はサイバーセキュリティ対策を強化し、あらゆる攻撃から国益を守らなければなりません。具体的には、最新の技術を取り入れたシステムの構築、専門知識を持った人材の育成、そして国民一人ひとりがセキュリティ意識を高めるための啓発活動などが重要となります。
ネットワーク

進化する防御壁:次世代ファイアウォールとは

インターネットは私たちの生活を大きく変え、情報へのアクセスや人との繋がりを容易にしました。しかし、その利便性が高まる一方で、悪意のある攻撃者からの脅威も増大しています。従来型の攻撃に加え、巧妙化・複雑化する新たな脅威からシステムを守るためには、従来の防御壁だけでは限界があります。これまでの防御壁は、家の塀のように、外部からの侵入を防ぐことしかできませんでした。しかし、現代の攻撃者は、まるで家の鍵を偽造したり、窓から侵入を試みるかのように、巧妙な手段で防御を突破しようとします。 そこで登場したのが、次世代の防御壁です。これは、家の周りに監視カメラやセンサーを設置し、侵入者を早期に発見・排除するだけでなく、侵入経路を分析して、その後の対策を強化するようなものです。具体的には、アプリケーションの利用状況を把握して不正なアクセスを遮断したり、怪しい動きをいち早く察知して侵入を未然に防いだりします。さらに、世界中で発生している攻撃の情報を収集・分析し、最新の脅威情報に基づいて防御システムを常に強化することで、未知の攻撃にも対応できるようになります。このように、次世代の防御壁は、多層的な防御機能を備えることで、現代のサイバー攻撃からシステムを強力に保護します。
セキュリティ強化

守るべきものを見極める:情報資産管理の重要性

- 情報資産とは情報資産とは、企業にとって価値のある情報やデータ、システムなどを指します。顧客情報や財務データ、技術資料といった具体的なデータはもちろんのこと、企業のブランドイメージや従業員の知識、経験なども含まれます。例えば、長年積み重ねてきた顧客との取引履歴や顧客リストは、企業にとって非常に重要な情報資産です。これらの情報は、顧客のニーズを分析し、効果的なマーケティング戦略を立案する上で欠かせません。また、企業の売上や利益に直結する財務データや、競合他社に知られると不利益を被る可能性のある技術資料なども、厳重に保護すべき情報資産といえます。情報資産は、形のない情報だけでなく、それらを扱うシステムや機器、ソフトウェアなども含みます。顧客情報を管理するデータベースや、財務データを処理する会計システム、重要な技術資料を保管するサーバーなどが挙げられます。これらのシステムや機器が正常に稼働することで、企業は円滑に事業を継続することができます。このように、情報資産は企業の競争優位性を築き、事業を円滑に進める上で欠かせないものです。そのため、情報資産を適切に管理し、サイバー攻撃や情報漏洩などの脅威から保護することは、企業にとって非常に重要な課題となります。
サイバー犯罪

セッションIDの盗用にご用心!

インターネットの世界では、私たちがウェブサイトを閲覧したり、サービスを利用したりする裏側で、常に情報交換が行われています。その際、円滑なやり取りを実現するために「セッション」と呼ばれる仕組みが使われています。ウェブサイトにログインすると、その人専用の通行証である「セッションID」が発行されます。このセッションIDは、私たちが誰かをウェブサイトに認識させるための重要な役割を担っています。 例えば、インターネットショッピングで商品をカートに入れたり、オンラインバンキングで取引を行う際に、ウェブサイトはセッションIDを通じて私たちを特定し、それぞれの情報と照らし合わせています。つまり、セッションIDは私たちの個人情報と密接に関係しており、万が一、第三者に盗まれてしまうと、個人情報が漏洩したり、悪用されたりする危険性があります。 セッションIDを盗み取る攻撃は「セッションID盗用」と呼ばれており、気付かないうちに被害に遭っている可能性もあるため、注意が必要です。私たちが普段利用しているウェブサイトの裏側では、このような仕組みで情報管理が行われていることを理解し、セキュリティに対する意識を高めることが大切です。
サイバー犯罪

リベンジポルノ防止法:自分と大切な人を守るために

- 拡散の危険性誰もが気軽に情報を発信できる時代になりました。しかし、その手軽さの裏には大きな落とし穴が潜んでいます。それは情報が拡散した後の取り返しのつかなさです。特に、許可なく個人のプライベートな情報や画像を拡散する行為は、決して許されるものではありません。インターネット上に公開された情報は、瞬く間に拡散し、その後完全に削除することは非常に困難です。まるで広大な海に滴下されたインクのように、拡散された情報はあらゆる場所に広がり、その範囲を特定することも不可能に近いでしょう。特に、性的な画像を無断で拡散する行為は「リベンジポルノ」と呼ばれ、重大な犯罪です。被害者の同意なく拡散された情報は、その人の尊厳を著しく傷つけ、人生に大きな影を落とす可能性があります。拡散による被害は、精神的な苦痛だけでなく、社会生活や職業生活にも影響を及ぼす可能性があり、深刻な事態になりかねません。一度拡散された情報が、その後どのような経路をたどるのか、誰がどのように閲覧しているのかを把握することはできません。軽い気持ちで拡散した情報が、取り返しのつかない結果を招く可能性があることを、私たちは深く認識しなければなりません。インターネットの利便性と危険性を理解し、責任ある行動を心がけましょう。
プライバシー

知っていますか?ジャンプリストであなたの行動が漏洩!?

- ジャンプリストとは皆さんは「ジャンプリスト」という機能をご存知でしょうか?Windowsのパソコンをお使いの方なら、誰でも一度は目にしている便利な機能です。毎日のようにパソコンで仕事をする人にとって、ファイルの管理は非常に重要です。膨大な量のファイルの中から目的のものを探し出すのは、至難の業とも言えます。しかし、そんな時に役立つのがジャンプリストです。タスクバーやスタートメニューには、普段からよく使うソフトウェアのアイコンが表示されていますよね? 例えば、インターネットを見るためのブラウザや、文章を作成するためのソフトウェアなどです。これらのアイコンを右クリックすると、最近使ったファイルや、よく使うフォルダの一覧が表示されます。これがジャンプリストです。例えば、ブラウザのアイコンを右クリックすると、過去に閲覧したウェブサイトの一覧が表示されます。仕事の資料作成のために、昨日アクセスしたウェブサイトをもう一度開きたい時などに便利です。いちいちウェブサイトのアドレスを覚えておく必要も、お気に入りに登録しておく必要もありません。また、文章作成ソフトのアイコンを右クリックすると、最近編集したファイルの一覧が表示されます。昨日まで書いていた報告書を、今日も編集したい時に役立ちます。ファイル名をクリックするだけで、すぐに作業を再開できます。このように、ジャンプリストはファイルへのアクセスを容易にする便利な機能です。ぜひ活用して、日々のパソコン作業を効率化しましょう。
セキュリティ強化

セキュリティ強化の鍵!ジャストインタイムアクセスとは?

- 情報漏洩リスクを最小限に抑える仕組み現代社会において、情報漏洩は企業にとって大きな脅威となっています。顧客情報や企業秘密など、重要なデータが流出してしまえば、企業の信頼は失墜し、甚大な損害を被る可能性も否定できません。このようなリスクを最小限に抑えるために、様々なセキュリティ対策が講じられています。中でも近年注目されているのが、『ジャストインタイムアクセス』という考え方です。 従来のアクセス制御では、業務に必要な人間に対して、ある程度の期間、必要な情報へのアクセス権を付与するのが一般的でした。しかし、この方法では、アクセス権限を持つ従業員が、悪意を持って情報を持ち出したり、外部からの攻撃によって情報を盗まれたりするリスクが常に存在します。 一方、『ジャストインタイムアクセス』は、必要な時に、必要な情報にのみ、最小限の期間だけアクセスを許可するという、より厳格なアクセス制御を実現します。従業員は、作業に必要な時にのみ、承認を得た上で一時的なアクセス権が付与されます。作業が終了すれば、アクセス権は自動的に失効するため、情報漏洩のリスクを大幅に低減することができます。 この仕組みを導入することで、万が一、従業員が不正を働こうとしたり、外部からの攻撃を受けて情報へのアクセスを許してしまったとしても、被害を最小限に抑えることが可能となります。また、アクセス記録を詳細に残すことができるため、不正アクセスが発生した場合の原因究明や再発防止にも役立ちます。 情報漏洩のリスクは、完全に消し去ることはできません。しかし、『ジャストインタイムアクセス』のような、時代に合わせた適切なセキュリティ対策を講じることで、そのリスクを最小限に抑え、企業の大切な情報資産を守ることができます。
モバイル

ジオフェンシング:利便性とリスクの表裏一体

近年、誰もが持ち歩くようになったスマートフォンの普及に伴い、GPSやWi-Fi、Bluetoothといった位置情報技術は目覚ましい進化を遂げました。私たちの日常生活においても、地図アプリを使った目的地までの案内や、飲食店の検索、さらにはタクシーの配車など、位置情報サービスはもはやなくてはならないものとなっています。 このような位置情報技術の進化を背景に、近年注目を集めているのがジオフェンシングです。ジオフェンシングとは、仮想的な地理的境界線(ジオフェンス)を設定し、スマートフォンなどのデバイスがそのエリアに入った時や出た時に、あらかじめ設定しておいた動作を実行させる技術です。 例えば、自宅にジオフェンスを設定しておけば、帰宅時に自動的に照明をつけたり、エアコンのスイッチを入れたりすることが可能になります。また、店舗に近づいた顧客に対して、クーポンやセール情報などのプッシュ通知を送信することで、来店を促すといったマーケティングへの活用も期待されています。 このように、ジオフェンシングは私たちの生活をより便利にするだけでなく、ビジネスの幅も大きく広げる可能性を秘めていると言えるでしょう。
不正アクセス

見落としがちな脅威:シンボリックリンク攻撃からシステムを守る

- シンボリックリンク便利な機能と潜むリスクシンボリックリンクは、特定のファイルやフォルダへの参照、いわば近道のような役割を果たす特別なファイルです。パソコンやサーバーで広く使われているUnix/Linux系のOSでは一般的な機能で、Windowsの「ショートカット」と似た働きをします。この機能を使うと、離れた場所にあるファイルやフォルダにも、あたかも手元にあるかのようにアクセスできるため、ファイルの整理や管理がはかどります。 しかし、この便利な機能が悪意のある人物に利用されると、システムに危険が及ぶ可能性があります。適切なセキュリティ対策がされていない場合、システムに深刻な脅威をもたらす可能性があります。 例えば、重要なシステムファイルにリンクを貼られた場合、攻撃者はそのリンクを悪用して、ファイルを改ざんしたり、削除したりできてしまいます。また、アクセス権限の低いユーザーが、シンボリックリンクを介して、本来アクセスできないはずの重要なファイルにアクセスできてしまう可能性もあります。 シンボリックリンクを使う際は、作成者やリンク先の確認を徹底し、不用意に重要なファイルへのリンクを作成しないように注意することが大切です。また、システム管理者は、シンボリックリンクの利用状況を定期的に監視し、不審なリンクがないかを確認する必要があります。 セキュリティ対策を怠ると、システム全体が危険にさらされる可能性もあるため、シンボリックリンクの取り扱いには十分な注意が必要です。
認証

シングルサインオンで快適・安全なネット生活

インターネット上の様々なサービスは、私たちの生活を便利で豊かなものにしてくれています。ショッピングサイトで買い物をしたり、動画サイトで映画を鑑賞したり、ソーシャルメディアで友人と交流したりと、今やこれらのサービスは欠かせないものとなっています。 しかし、便利なサービスの裏側には、セキュリティという大きな課題が潜んでいます。多くのサービスを利用するということは、それだけ多くのIDとパスワードを管理しなければならないということです。サービスごとに異なるIDとパスワードを設定していても、もしそれが漏洩してしまったら、大変な被害に遭う可能性があります。 そこで登場するのが、シングルサインオン(SSO)と呼ばれる仕組みです。SSOを利用すれば、1つのIDとパスワードを発行するだけで、複数のサービスを利用できるようになります。まるで、マスターキーを持った鍵束で、いくつもの扉を開けることができるようなイメージです。 SSOは、パスワード管理の煩雑さを解消するだけでなく、セキュリティの向上にも役立ちます。なぜなら、複数のサービスで同じIDとパスワードを使い回す必要がなくなるため、パスワード漏洩のリスクを大幅に減らすことができるからです。 SSOは、私たちのデジタルライフをより安全で快適なものにするための、重要な鍵となるでしょう。
サイバー犯罪

油断大敵!後ろからのぞき見にご注意を

- ショルダハッキングとは ショルダハッキングとは、あなたのすぐ後ろから画面を覗き見し、パスワードや個人情報などの重要な情報を盗もうとする行為です。 カフェや電車の中など、公共の場でパソコンやスマートフォンを操作している際に、あなたの隣や後ろにいる人が、まるで何気ない素振りで画面を覗き込んでいるかもしれません。 このような場合、あなたの入力しているパスワードやクレジットカード番号、個人情報などが、見知らぬ誰かに盗み見られている可能性があります。 これがショルダハッキングです。 ショルダハッキングは、特殊な技術や道具を必要とせず、誰でも簡単に実行できてしまうことが大きな特徴です。 そのため、誰もが被害者になり得るという危険性を認識しておく必要があります。 特に、フリーWi-Fiが利用できるカフェや、多くの人が行き交う公共交通機関などでは、ショルダハッキングの危険性が高まりますので、注意が必要です。