セキュリティの基礎 TCB:信頼できるコンピュータシステムの構築
- 信頼できるコンピュータの仕組み
日々、私達はインターネットバンキングやオンラインショッピングなどで、個人情報やクレジットカード情報など、非常に重要な情報をコンピュータに預けています。では、どのようにしてコンピュータはこれらの大切な情報を守っているのでしょうか?
その答えの一つに、「信頼できるコンピュータの仕組み」、つまり「TCB(Trusted Computing Base)」があります。TCBは、コンピュータシステムの中で、セキュリティに直接関わる重要な役割を担う部分です。
TCBは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアといった、コンピュータを動かすために必要な要素が組み合わさってできています。これらの要素が連携して、私達の情報にアクセスする人物やプログラムを厳重にチェックし、許可されていないアクセスをブロックすることで、情報の機密性や安全性を保っています。
例えば、インターネットバンキングを利用する際に入力するパスワードは、TCBによって保護されています。もしTCBが存在しなければ、このパスワードは簡単に盗み見られ、悪意のある第三者にアカウントを乗っ取られてしまうかもしれません。
このように、TCBは私達が安心してコンピュータを利用するために、目には見えないところで重要な役割を果たしているのです。