Windows

セキュリティ強化

見えない脅威を暴く: GMERとルートキット対策

- ルートキットとはコンピュータウイルスの中でも、特に悪質な存在として知られるのがルートキットです。ルートキットは、感染したコンピュータを深く侵害し、自身の存在を隠蔽しながら、悪意のある活動を続けるプログラムです。ルートキットは、その名の通り「ルート(root)」権限、つまりコンピュータを完全に制御できる最高位の権限を奪い取ろうとします。そして、システムの奥深くに潜り込み、他のプログラムのように振る舞うことで、自身の存在を隠蔽します。この隠密性の高さから、ルートキットの発見は極めて困難です。一般的なセキュリティ対策ソフトでは、ルートキットを検知できない場合もあり、感染に気づかないまま使い続ける可能性があります。ルートキットは、個人情報や認証情報の窃取、他のマルウェアのインストールなど、様々な悪事に利用される可能性があります。さらに、感染したコンピュータをボットネットの一部として悪用し、サイバー攻撃に加担させることもあります。ルートキットから身を守るためには、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保ち、セキュリティ対策ソフトを導入することが重要です。また、信頼できないウェブサイトへのアクセスや、不審なメールの添付ファイルを開封しないなど、日頃から注意を払う必要があります。
脆弱性

今なお脅威となるPrintNightmareとは?

- はじめに現代社会において、印刷は非常に身近な機能となっています。書類の作成や写真印刷など、日常生活の様々な場面で利用されていますね。しかし、便利な機能の裏には、時として危険が潜んでいることを忘れてはいけません。今回は、2021年に発見されたWindowsの脆弱性「PrintNightmare」について解説します。この脆弱性が悪用されると、私たちの大切な情報が危険にさらされる可能性があります。「PrintNightmare」は、Windowsの印刷スプーラーと呼ばれる機能に存在していた脆弱性です。印刷スプーラーとは、パソコンから印刷指示を受け取り、実際に印刷を行うまでの処理を担うソフトウェアのことです。この脆弱性を悪用されると、攻撃者は、私たちの知らない間に悪意のあるプログラムを仕込んだり、パソコンを乗っ取ったりすることができてしまうのです。「PrintNightmare」は非常に危険な脆弱性であり、世界中で大きなニュースとなりました。マイクロソフト社は、この問題を修正するための更新プログラムを緊急で公開しました。しかし、更新プログラムを適用していないパソコンは、現在も危険にさらされている可能性があります。この脆弱性から身を守るためには、マイクロソフト社が提供する更新プログラムを必ず適用することが重要です。また、怪しいウェブサイトへのアクセスや、不審なメールの開封は避け、セキュリティソフトを常に最新の状態に保つなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することも大切です。
その他

Prefetchファイル:Windowsの影の記録

皆さんは、毎日パソコンを使って様々な作業をしていると思います。資料作成やインターネット、動画鑑賞など、その用途は様々でしょう。では、皆さんはパソコンを使う際、どのようにアプリケーションを起動していますか? おそらく、ほとんどの方がアイコンをクリックしたり、スタートメニューから選択したりして起動しているのではないでしょうか。そして、何気なくアプリケーションを開いたり閉じたりしていると思います。 しかし、その裏では、より快適にパソコンを使えるように、Windows が様々な工夫を凝らしています。その一つが、今回ご紹介する「Prefetchファイル」です。 Prefetchファイルは、簡単に言うと、アプリケーションの起動を高速化するための仕組みです。Windows は、皆さんが普段どのようにパソコンを使っているのかを常に監視し、その情報を元に、次にどのアプリケーションが起動されるかを予測します。そして、予測したアプリケーションに必要なファイルをあらかじめメモリ上に読み込んでおくことで、実際に起動する際に素早く動作できるようにしているのです。 つまり、Prefetchファイルは、皆さんのパソコン操作を影ながら支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。今回は、この Prefetch ファイルについて、詳しく解説していきます。
不正アクセス

見過ごされやすい脅威の痕跡:ESENTイベントログを読み解く

- Windowsの心臓部にある記録普段私たちが目にすることのない、Windowsシステムの奥深くでは、膨大な量の記録が日々蓄積されています。その記録の一つに、「ESENTイベントログ」というものがあります。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これはWindowsの様々な機能を支える重要な役割を担っています。Windowsには、「WindowsESE」と呼ばれる、データを効率的に保存・管理するための技術が使われています。ファイルの検索やアプリケーションのバックアップなど、私たちが普段何気なく行っている操作の裏側でも、この技術が活躍しています。そして、ESENTイベントログは、このWindowsESEで発生した様々なイベントを記録したログなのです。例えば、ファイルを開いたり保存したりするたびに、その情報はESENTイベントログに記録されます。また、アプリケーションがデータベースにアクセスした際や、システム設定が変更された際など、WindowsESEが動作するあらゆる場面で、詳細なイベント情報が記録されていきます。これらの記録は、一見すると私たちには無関係なもののように思えるかもしれません。しかし実際には、システムのトラブルシューティングやパフォーマンス分析を行う上で、非常に重要な手がかりとなります。 ESENTイベントログを分析することで、システムの不具合の原因究明や、パフォーマンス低下の要因を特定することが可能になるのです。Windowsの心臓部で日々記録されているESENTイベントログ。普段意識することはありませんが、私たちの快適なコンピュータ環境を陰ながら支える、重要な役割を担っていると言えるでしょう。
データ保護

重要なファイルはEFSで保護しよう!

今日の社会において、情報は企業の競争力を左右する重要な資産であり、個人のプライバシーを守る上でも非常に大切です。しかし、便利なデジタル機器が広く普及する一方で、情報漏洩のリスクは日に日に高まっています。悪意のある第三者によって重要な情報が盗まれたり、意図せず情報が流出してしまったりする事件が後を絶ちません。このような状況下では、情報資産を適切に保護することがこれまで以上に重要になっています。 情報漏洩による被害は、企業にとっては金銭的な損失だけでなく、顧客からの信頼を失墜させることにも繋がります。また、個人にとっても、プライバシーの侵害や金銭的な被害を受ける可能性があります。情報漏洩は、一度発生してしまうと、その影響を完全に回復することが難しい深刻な問題です。 そのため、企業と個人の両方が情報セキュリティに対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、強力なパスワードを設定することや、ソフトウェアを常に最新の状態に保つこと、不審なメールやウェブサイトにアクセスしないことなど、基本的なセキュリティ対策を徹底する必要があります。また、情報漏洩が発生した場合に備え、被害を最小限に抑えるための体制を構築しておくことも重要です。
セキュリティ強化

セキュリティの壁「PPL」:その役割とリスク

- Windowsの守護者、PPLとは? パソコンを使う上で、ウイルスや不正なプログラムからパソコンを守ることはとても重要です。Windowsには、そのような脅威からパソコンを守るための様々な機能が備わっていますが、その中でも「PPL(Protected Process Light)」は、Windows 8.1以降で導入された、システムの中核部分を保護するための重要な仕組みです。 PPLは、例えるなら、重要な施設を守るための厳重な門番のようなものです。パソコンの中枢部分である「カーネル」へアクセスしようとするプログラムに対し、厳しいチェックを行います。アクセスを許可するのは、マイクロソフトなど、信頼できる発行元がデジタル署名したプログラムだけ。もし、悪意のあるプログラムが、カーネルを乗っ取ろうとしても、PPLがそれを阻止し、システム全体への影響を防ぎます。 このように、PPLは、悪意のあるプログラムからシステムを守るための、強力な防御壁として機能しています。PPLによって、より安全に、安心してパソコンを使うことができるようになっています。
その他

知っておきたいセキュリティ対策:バッチファイルの注意点

- バッチファイルとはバッチファイルとは、WindowsというOS上で、決められた処理を自動的に実行してくれる、便利な仕組みのことです。 普段、私たちがパソコンでファイルの整理やインターネットの閲覧など、様々な操作をしている中で、決まった手順を何度も繰り返す作業は少なくありません。 このような繰り返し作業をコンピューターに代行させるために、バッチファイルは活用されます。バッチファイルは、メモ帳などのテキストエディタを使って作成します。ファイルの中に、パソコンに実行させたい命令を、順番に書き込んでいきます。 この命令を記述する言葉は、コマンドプロンプトと呼ばれるWindowsの機能で使われているものと同じです。 例えば、「このフォルダにあるファイルを、別のフォルダに移動する」といった命令を、バッチファイルに記述することができます。作成したバッチファイルは、ファイル名の最後に「.bat」や「.cmd」といった拡張子を付けて保存します。 この拡張子を付けることで、Windowsはこのファイルがバッチファイルであると認識し、ファイルに記述された命令を実行してくれるようになります。 バッチファイルを実行すると、中に書かれた命令が順番に処理され、自動的に作業が進んでいきます。 バッチファイルは、一度作成しておけば、同じ作業を何度も繰り返す必要がなくなり、作業効率を大幅に向上させることができます。また、人為的なミスを減らし、正確な作業を可能にするというメリットもあります。
その他

Windowsの心臓部を守る!ntoskrnl.exeを理解しよう

- Windowsの中核を担うプロセス パソコンの画面に表示されるたくさんのファイルやフォルダ。その奥深くで、目に見えない重要な役割を担っているのが「ntoskrnl.exe」というファイルです。一見すると複雑な名前ですが、これは「Windows NT Operating System Kernel Executable」の略称で、Windowsという建物の土台とも言える重要な役割を担っています。 この「ntoskrnl.exe」は、Windowsの心臓部とも言える「カーネルイメージ」と呼ばれるものを構成しています。カーネルイメージは、パソコンの起動時から終了時まで常に稼働しており、アプリケーションソフトやハードウェアを制御することで、パソコン全体をスムーズに動かす役割を担っています。 例えるなら、巨大な工場を動かすための指令室のようなものでしょうか。 「ntoskrnl.exe」は、メモリ管理、プロセス管理、セキュリティ管理など、OSにとって非常に重要な機能を担っています。もし、このファイルが正常に動作しなくなると、パソコンは起動しなくなったり、動作が不安定になったりといった深刻な問題が発生する可能性があります。まさに、縁の下の力持ちとして、私たちの目に触れることのないところで、Windowsの安定稼働を支えている重要な存在と言えるでしょう。
その他

OSを理解してセキュリティ向上

- OSとは OSは、"オペレーティングシステム"の略称で、日本語では"基本ソフト"とも呼ばれます。 コンピューターを動かすために無くてはならない存在であり、普段何気なく使っているパソコンやスマートフォンも、このOSを土台として動いています。 例えるなら、OSは家を建てるための土地のようなものです。 家を建てるには、まず土地が必要です。同じように、アプリケーションソフトを動かすには、まずOSが必要です。 OSは、アプリケーションソフトとハードウェアの間を取り持つ役割を担っています。 アプリケーションソフトからの指示をハードウェアに伝えたり、逆にハードウェアの状態をアプリケーションソフトに伝えたりすることで、コンピューター全体がスムーズに動作するよう調整しています。 また、OSはコンピューター全体の資源を管理する役割も担っています。 "資源"とは、CPUやメモリ、ストレージなどのことです。 どのアプリケーションソフトにどれだけのCPUパワーやメモリを割り当てるか、データをどこに保存するかなどを決めるのもOSの役割です。 このようにOSは、私たちがコンピューターを快適に使えるよう、裏側で様々な処理を行っているのです。
認証

見えないログオン:ネットワークログオンのセキュリティを理解する

- ネットワークログオンとは皆さんは、会社や自宅でパソコンを使う際、様々なサービスや機器にアクセスしますよね。例えば、社内のファイルサーバーやプリンター、インターネット上のウェブサイトなどです。これらのサービスにアクセスする際、通常はIDとパスワードを入力して、自分が誰かを証明する必要があります。この作業を「認証」と言います。では、毎回全てのサービスにアクセスする度に、IDとパスワードを入力しなければならないのでしょうか?もしそうだとしたら、非常に面倒で、作業効率も落ちてしまいますよね。そこで登場するのが「ネットワークログオン」です。これは、一度パソコンやネットワークにログオンすれば、その後は改めてIDとパスワードを入力しなくても、他のサービスや機器にアクセスできる便利な仕組みです。例えば、会社の朝、最初にパソコンにIDとパスワードを入力してログオンしたとします。これが最初の認証です。その後、社内のファイルサーバーにアクセスする際、改めてIDとパスワードを入力する必要はありません。これは、既にパソコンがあなたを認証しており、その情報を利用してファイルサーバーにもアクセスできるようになっているからです。これがネットワークログオンです。ネットワークログオンは、Windowsのパソコンでは「Type3」という種類のイベントとして記録されています。普段は意識することはありませんが、裏側ではこの仕組みが働いて、私たちがスムーズに様々なサービスを利用できるようにしてくれているのです。このように、ネットワークログオンは利便性を高めるための便利な仕組みですが、一方でセキュリティの観点からは注意が必要です。もしも、あなたの認証情報が盗まれてしまうと、悪意のある第三者にネットワーク上の様々なリソースに不正にアクセスされてしまう可能性があります。ネットワークログオンの仕組みを正しく理解し、安全に利用するためにも、普段からパスワードの管理を徹底するなど、セキュリティ対策を心がけましょう。
脆弱性

潜む影:DLLサーチオーダーハイジャッキングの脅威

私たちが毎日使うパソコンのソフトウェアは、その動作の裏側で「DLL」と呼ばれるものに支えられています。DLLは「ダイナミックリンクライブラリ」の略称で、例えるならソフトウェアの一部機能をまとめた小さなプログラムのようなものです。 このDLLの最大の特徴は、複数のソフトウェアから同時に利用できるという点にあります。ソフトウェア開発者は、よく使う機能をDLLとしてまとめておくことで、一からプログラムを組む手間を省くことができます。これは、車を作る際に、タイヤやエンジンをすべて独自設計するのではなく、既存の部品を組み合わせることで効率的に車を製造できるのと同じような考え方です。また、複数のソフトウェアが共通のDLLを利用することで、パソコンの負担を減らし、動作を軽くする効果も期待できます。 しかし便利な反面、DLLはその仕組み上、セキュリティ上の弱点も抱えています。その一つが「DLLサーチオーダーハイジャッキング」と呼ばれる攻撃手法です。これは、悪意のあるプログラムを、本来のDLLよりも先に読み込ませることで、パソコンを不正に操作しようとするものです。攻撃者は、ソフトウェアの隙間に入り込むように、巧妙に悪意のあるプログラムを仕掛けるため、利用者は知らず知らずのうちに危険にさらされる可能性もあります。このため、DLLの基本的な仕組みを理解し、セキュリティ対策ソフトの導入やOSの最新状態を保つなど、日頃から適切な対策を講じることが重要です。
脆弱性

見えない脅威:NoFilter攻撃からシステムを守る

現代社会において、コンピュータは社会の基盤から私たちの日常生活まで、あらゆる場面で使われています。それと同時に、悪意を持った攻撃者は、システムの弱点をついた侵入を試みており、私たちは常にセキュリティ対策を強化しなければなりません。近年、従来のセキュリティ対策が通用しない巧妙な攻撃手法が現れ、セキュリティ専門家の間で問題視されています。 その一つが、「NoFilter攻撃」と呼ばれる、Windowsフィルタリングプラットフォーム(WFP)の脆弱性を突いた攻撃です。 Windowsフィルタリングプラットフォームは、Windowsシステムの心臓部とも言える重要な部分で、ネットワーク通信を制御する役割を担っています。NoFilter攻撃は、このWFPの脆弱性を悪用し、本来通過できないはずの悪意のある通信を許可させ、システムに侵入を試みます。 従来のセキュリティ対策では、外部からの侵入を阻止することに重点が置かれていましたが、NoFilter攻撃のように、システム内部の重要な部分を狙う攻撃に対しては、十分な効果を発揮できない可能性があります。このため、OSやセキュリティソフトを最新の状態に保つことはもちろん、システム内部のセキュリティ対策を見直し、多層的な防御体制を構築することが重要です。
セキュリティ強化

セキュリティ対策の基本:Windowsの監査機能と攻撃への備え

- Windowsの監査機能の概要Windowsには、システム内部で起こる様々な出来事を記録する「監査機能」が備わっています。この機能は、まるでシステム全体の活動記録のようなもので、ファイルが開かれた時刻や、誰がどのユーザーアカウントを変更したかといった重要な操作を克明に記録します。もしも、許可されていないアクセスや情報の漏洩といった問題が発生した場合、この監査機能の記録が解決の糸口となります。過去の記録を調べることで、いつ、誰が、どのような操作を行ったのかを特定し、問題の原因究明を迅速に行うことができるのです。また、被害の範囲を特定し、二次被害の予防にも繋がります。監査機能は、適切な設定を行うことで、より効果的に機能します。例えば、重要なファイルやフォルダへのアクセス、管理者権限の利用など、特に注意が必要な操作を重点的に記録する設定などが考えられます。このように、自社のシステム環境やセキュリティリスクに応じて、監査機能をカスタマイズすることで、より強固なセキュリティ体制を構築することが可能となります。企業にとって、顧客情報や機密情報といった重要な情報は、何よりも守るべき財産です。Windowsの監査機能は、これらの情報資産を様々な脅威から守るための、強力な武器となるでしょう。
脆弱性

Zerologon:組織の要を脅かす脆弱性

- はじめにと題して昨今、企業や組織にとって、顧客情報や企業秘密といった重要な情報を守る「情報セキュリティ」は、事業を継続していく上で欠かせない要素となっています。日々、巧妙化するサイバー攻撃から大切な情報資産を守るためには、常に新たな脅威への対策を講じていく必要があります。 近年、Windowsの認証システムにおいて、「Zerologon」と呼ばれる重大な脆弱性が見つかり、世界中で大きな話題となりました。この脆弱性は、悪用されると攻撃者がネットワークに侵入し、システムを完全に支配下に置くことが可能となる危険性をはらんでいます。 本記事では、Zerologonの概要やその脅威について詳しく解説するとともに、具体的な対策方法についても分かりやすく紹介します。
セキュリティ強化

セキュリティの基礎: CryptoAPIとその重要性

- CryptoAPIとは CryptoAPIは、Windowsという広く使われているコンピューターの操作体系において、安全性を確保するために重要な役割を果たす技術です。 インターネット上でやり取りされる情報や、コンピューターに保存される大切なデータを守るために、CryptoAPIは様々な機能を提供しています。 例えば、ウェブサイトにログインする際に、入力したパスワードが第三者に盗み見られないように、CryptoAPIはパスワードを暗号化して送信する機能を提供しています。暗号化とは、まるで暗号を使うように、情報を読み解けないように変換することです。 また、インターネットからソフトウェアをダウンロードする際、そのソフトウェアが改竄されていないかを確認する際にもCryptoAPIは活躍します。 CryptoAPIは、デジタル署名と呼ばれる技術を用いて、ソフトウェアの開発元を確認し、安全性を保証する機能を提供しているのです。デジタル署名は、紙の書類に印鑑を押すように、電子データに開発元の証明を付与する技術です。 このように、CryptoAPIは、私たちが安心してインターネットを利用し、デジタル情報を扱うことができるように、陰ながらセキュリティを支えています。
認証

今だから知っておきたいNTLMの弱点と対策

私たちは、インターネットや会社のネットワークを使って、様々なサービスを日々利用しています。買い物や情報のやり取り、仕事の作業など、その活動は多岐に渡ります。このような便利なサービスを利用する際、「私たちが誰なのか」をシステムが正しく認識する必要があります。この重要な役割を担うのが、ネットワーク認証と呼ばれる仕組みです。 例えば、オンラインバンキングを利用する場面を考えてみましょう。自分の口座にアクセスするためには、IDとパスワードを入力しますよね。これは、銀行のシステムに対して、「自分が正当な利用者であること」を証明していることになります。もし、このような認証の仕組みがなければ、誰でも他人の口座にアクセスできてしまい、大変危険な状態になってしまいます。 ネットワーク認証は、家の鍵とよく似ています。家に入る際に鍵を使って、自分が住人であることを証明するのと同様に、ネットワークにアクセスする際にも、正しい「鍵」である「認証情報」を使って、自分がアクセス権限を持つ者であることを証明する必要があるのです。 このように、ネットワーク認証は、インターネット上の安全を守る上で、最も基本的なセキュリティ対策と言えます。日々利用するサービスの裏側では、こうした仕組みが私たちの情報を守っていることを意識してみましょう。
プライバシー

テレメトリーとプライバシー:知っておくべきこと

- テレメトリーとは 遠隔測定とも呼ばれるテレメトリーは、離れた場所から情報を収集し、分析する技術のことを指します。その歴史は古く、もともとは航空機や宇宙船といった、人が直接確認できないような場所にある機器の状態を監視するために開発されました。 近年では、情報技術の分野においても、このテレメトリー技術が広く活用されるようになっています。例えば、ソフトウェアの利用状況やパフォーマンスに関するデータ収集に役立てられています。ソフトウェアの開発元は、この技術によって得られたデータをもとに、ユーザーエクスペリエンスの向上や機能改善に繋げることができるのです。 また、ウェブサイトのアクセス状況を分析する際にも、テレメトリーは力を発揮します。アクセス数やページ閲覧時間、ユーザーの利用環境などを詳細に把握することができるため、ウェブサイト運営者はこれらの情報を基に、より質の高いコンテンツ作成やマーケティング戦略の立案を行うことができます。 このように、テレメトリーは現代社会において、様々な分野で欠かせない技術となっています。今後も、IoT技術の進歩やデータ分析の重要性が高まるにつれて、その活躍の場はますます広がっていくと予想されます。
サイバー犯罪

Windows標準ツールCertUtilの悪用にご用心

- 便利な機能を持つCertUtil CertUtilは、Windowsに標準で搭載されているコマンドラインツールです。 普段、あまり意識することはありませんが、Windowsでインターネットや社内ネットワークを安全に利用するために、裏側で活躍しています。 その役割は、Webサイトやメールサーバー、ソフトウェアといった様々なデジタル情報が、本当に信頼できる発行元から提供されたものかどうかを確認するための「証明書」を管理することです。 CertUtilは、この証明書に関して、下記をはじめとした様々な操作をコマンドラインから実行できます。 * 証明書のインストール * 証明書の削除 * 証明書の表示 * 証明書の確認 システム管理者は、これらの機能を利用することで、証明書関連の作業を効率的に行うことができます。 例えば、多数のサーバーの証明書を一括で更新したり、特定の証明書が正しくインストールされているかを確認したりする際に、CertUtilは非常に役立ちます。 このように、CertUtilは、一見、目立たない存在ながらも、Windowsのセキュリティを支える重要な役割を担っています。
脆弱性

Windows Vault:そのリスクと対策

- Windows Vaultとは Windows Vaultは、Windows 7以降のパソコンに標準で備わっている機能です。この機能は、インターネットを使う際に便利なように、ウェブサイトへのログイン情報やアプリケーションの資格情報を安全に保管する仕組みです。 例えば、インターネットで買い物をするとき、IDやパスワードを入力する欄を見たことがあると思います。Windows Vaultは、このIDやパスワードを記憶しておくことで、次回から入力を省略して、スムーズに買い物ができるようにしてくれます。 Windows Vaultは、一見すると便利な機能ですが、注意が必要です。なぜなら、この機能はパスワードを保存する仕組みであるため、使い方を間違えると、セキュリティ上のリスクが生じてしまう可能性があるからです。 例えば、パソコンを他の人と共有している場合、Windows Vaultに保存された情報が悪用されるかもしれません。また、ウイルス感染などによって情報が漏洩するリスクも考えられます。 Windows Vaultを利用する場合は、その利便性とリスクを理解した上で、適切な設定を行うことが重要です。
ネットワーク

ワークグループのセキュリティ: 制限と対策

- ワークグループの概要ワークグループとは、Windowsのパソコンを繋いで小さなネットワークを作る仕組みのことです。家族でパソコンを使っている家庭や、従業員数名の小さな会社で、プリンターや保存した書類をみんなで使う場合などに利用されます。ワークグループの一番の特徴は、誰でも簡単に設定できるという点です。難しい設定をしなくても、比較的簡単にネットワークを構築できるため、パソコンに詳しくない人でも手軽に利用できます。 しかし、簡単に使える反面、セキュリティの面では弱いという側面も持ち合わせています。ワークグループでは、同じグループ内のパソコンは、特別な許可を得なくても互いにアクセスできてしまいます。そのため、悪意のある人物が同じワークグループに侵入してしまうと、他のパソコンに保存されている重要な情報が盗み見られてしまう危険性があります。家庭内で利用する場合は、外部からの侵入を防ぐ対策をしっかりとしておけば、比較的安全に利用できます。しかし、会社などの組織で利用する場合には、重要な情報の漏洩を防ぐため、よりセキュリティの強固な「ドメイン」と呼ばれる仕組を利用する方が推奨されます。このように、ワークグループは手軽に利用できる反面、セキュリティ面では注意が必要です。ワークグループを利用する際は、その特性をよく理解し、適切なセキュリティ対策を施すことが重要です。
マルウェア

見落としがちな危険!セーフモードを悪用した攻撃

- セーフモードとは パソコンが正常に動作しなくなった時、その原因を特定するために役立つのが「セーフモード」です。これは、Windowsに標準搭載されている診断モードの一つです。 パソコンは通常起動する際に、様々なプログラムやドライバーを読み込みます。しかし、これらのプログラムやドライバーの中に、動作不良を起こしているものがあると、パソコンが正常に起動しなくなってしまうことがあります。 このような場合に役立つのがセーフモードです。セーフモードでは、Windowsの起動に必要な最小限のプログラムとドライバーだけを読み込んで起動します。そのため、通常モードでは読み込まれる不要なプログラムやドライバーが読み込まれないため、問題の原因となっている要素を特定しやすくなるのです。 セーフモードでパソコンを起動すると、画面の四隅に「セーフモード」と表示され、画面の解像度も通常とは異なる場合があります。これは、セーフモードでは最小限のドライバーで起動するためです。 セーフモードを利用することで、パソコンのトラブル解決に役立てることができます。
マルウェア

Magniberランサムウェア:巧妙化する手口と対策

- Magniberランサムウェアとは Magniberは、2017年頃から活動を続けている悪質なプログラムです。このプログラムは、主にパソコンを利用している方を標的にして、パソコンに保存されている大切なファイル(例えば、文章、写真、動画など)を読み込めなくしてしまい、元に戻すことと引き換えにお金を要求します。 Magniberは、他のものと比べて、感染する方法がとても巧妙であることが特徴です。例えば、インターネットの広告や、一見安全に見えるウェブサイトに潜んでいたり、電子メールに添付されたファイルに隠されていたりします。そして、知らない間にパソコンに侵入し、ファイルを読み込めなくしてしまいます。 Magniberは、一度感染してしまうと、パソコンに保存されているファイルが開けなくなり、ファイルの名前が変わってしまったり、見慣れない拡張子が追加されたりします。そして、画面に脅迫文が表示され、お金を支払わないとファイルが元に戻らないと脅迫されます。 Magniberから大切なデータを守るためには、怪しい広告やウェブサイトには近づかない、知らない人からのメールに添付されたファイルは開かない、そして、セキュリティソフトを導入して常に最新の状態に保つなど、日頃から対策をしておくことが重要です。
不正アクセス

Windowsのパスワード保護:VaultPasswordViewの脅威

- はじめにと題して 現代社会において、インターネットは生活に欠かせないものとなり、それに伴い、様々なサービスでアカウントを作成する機会が増えました。そして、これらのアカウントを守るために重要な役割を担うのが「パスワード」です。パスワードは、言わば個人の情報や財産を守るための「鍵」と言えます。 しかし、利便性が高い一方で、この重要な「鍵」が、悪意のある第三者に容易に突破される危険性も孕んでいることを忘れてはなりません。インターネット上に潜む危険なツールを使うことで、あなたの大切な情報が盗み見られてしまう可能性もあるのです。 今回は、WindowsというOSに標準で搭載されている「VaultPasswordView」というツールに焦点を当て、その機能と、使い方次第では悪用されかねない危険性、そして、自身の身を守るための対策について詳しく解説していきます。 この記事を通して、デジタル社会におけるセキュリティの重要性について改めて認識し、自身の情報を守るための具体的な方法を身につけていきましょう。
脆弱性

見過ごせないCLFSの脆弱性:ランサムウェアからシステムを守るために

- ログシステムの盲点 コンピュータの安定稼働に欠かせないのが、あらゆる動作を記録するログシステムです。しかし、この重要なシステム自体に潜む脆弱性が、思わぬ脅威となることがあります。 Windowsの動作記録に広く使われているのが、「共通ログファイルシステム」、略してCLFSと呼ばれる仕組みです。これは、様々なプログラムが生成するログ情報を一括管理し、後から分析できるようにする、いわばWindowsの記録係のような存在です。 ところが近年、このCLFSに深刻な弱点が見つかりました。これを悪用されると、攻撃者がシステムの動作を改ざんしたり、重要な情報を盗み出したりできてしまう危険性があります。 例えば、本来はアクセスが制限されている重要な設定ファイルに、こっそり変更を加えることも可能です。また、ログ自体を改ざんして、不正侵入の痕跡を消してしまうことも考えられます。 このように、ログシステムは使い方を誤ると、セキュリティ上の弱点になりかねません。システム管理者は常に最新の情報に目を向け、適切な対策を講じる必要があります。