ネットワーク監視強化:Zeek拡張機能「gait」で脅威を捕捉
近年の巧妙化するサイバー攻撃から企業の安全を守るには、ネットワークの監視は必要不可欠です。しかし、日々発生する膨大なネットワークトラフィックの中から、本当に危険な兆候を見つけることは容易ではありません。
そこで有効な手段となるのが、ネットワーク監視ツール「Zeek」の拡張機能である「gait」です。Zeekは、ネットワーク上を流れるパケットの詳細な情報を記録する強力なツールですが、「gait」は、そのZeekの機能をさらに拡張し、より深い分析を可能にします。
具体的には、「gait」はSSL通信のログやネットワーク接続情報に、接続元の端末や経由しているプロキシサーバーなどのメタデータを付加します。このメタデータは、まるで足跡のように、ネットワーク上の通信経路をたどるための手がかりとなります。
例えば、ある端末が不審なサーバーと通信している場合、「gait」によって記録されたメタデータを辿ることで、その通信が社内のどの端末から発生し、どのプロキシサーバーを経由しているのかを特定することができます。これにより、攻撃者が社内ネットワークのどこに侵入し、どのように活動しているのかを把握することが容易になり、迅速な対処が可能となります。
このように「gait」は、膨大なネットワークトラフィックの中からセキュリティ上の脅威を効率的に検出するための強力なツールとなります。セキュリティ担当者は、「gait」を活用することで、より的確に攻撃を検知し、企業の安全を守ることができるでしょう。