見えない脅威:シャドウAPIとセキュリティリスク

見えない脅威:シャドウAPIとセキュリティリスク

セキュリティを知りたい

先生、「シャドウAPI」ってなんですか?セキュリティの話で出てきたんですが、よく分からなくて。

セキュリティ研究家

「シャドウAPI」は、簡単に言うと、会社の人が知らないうちに使われているソフトウェアの接続口のようなものだ。誰かが勝手に入り口を作って使っている状態なので、とても危険なんだよ。

セキュリティを知りたい

なるほど。誰が使っているか分からない入り口があるってことですね。なんでそんな危ないものが使われちゃうんですか?

セキュリティ研究家

仕事の効率を上げようとして、担当の人の許可を得ずに便利なソフトウェアを勝手に入れてしまうことがあるんだ。その時に、知らないうちに「シャドウAPI」が生まれてしまうことがあるんだよ。だから、会社で使うソフトはきちんと許可を得て使うことが大切なんだね。

シャドウAPIとは。

安全性を高める上で知っておくべき「隠れた接続口」について説明します。隠れた接続口とは、組織がきちんと管理できていない、危険な接続口のことです。接続口は、ソフトやプログラム、アプリ同士をつなぐ窓口のようなものです。しかし、組織の管理者が、こうした接続口の存在や使い方を把握していないと、悪意のある攻撃者に乗っ取られ、不正なアクセスを許してしまう可能性があります。これは、組織の資産管理や監査から漏れてしまう「隠れたIT」とよく似ています。

つながる世界とAPIの重要性

つながる世界とAPIの重要性

– つながる世界とAPIの重要性

現代社会は、インターネットによって様々なモノやサービスがつながる時代です。スマートフォンやパソコンから、いつでもどこでも情報にアクセスしたり、買い物を楽しんだり、遠くの人とコミュニケーションを取ったりすることが当たり前になっています。

このような便利な世界を支えているのが、ソフトウェアやアプリケーションの存在です。しかし、これらのアプリケーションは、単独ではその真価を発揮できません。異なるアプリケーション同士が互いに連携し、データをやり取りすることで、より便利で豊かな機能を提供することが可能になります。

では、アプリケーション同士はどのようにして連携しているのでしょうか?その重要な役割を担っているのがAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)です。APIは、異なるシステムが互いに情報を交換するための共通言語と言えるでしょう。

例えば、スマートフォンで地図アプリを開き、近くのレストランを探したいとします。この時、アプリは独自に飲食店情報を保有しているわけではありません。代わりに、飲食店情報提供サービスが提供するAPIを利用して情報を取得し、ユーザーに分かりやすく表示しています。

このように、APIは現代社会において、様々なサービスを円滑に連携させるための重要な役割を担っています。私たちの知らないところで、APIは様々な場面で活躍し、より便利で豊かなデジタル社会の実現に貢献しているのです。

概念 説明
つながる世界 インターネットにより様々なモノやサービスが接続された状態 スマートフォン、パソコンからの情報アクセス、買い物、コミュニケーション
アプリケーションの連携 アプリケーション同士がデータ連携することで便利な機能を提供 地図アプリと飲食店情報提供サービスの連携
API (アプリケーション・プログラミング・インターフェース) 異なるシステムが情報を交換するための共通言語 飲食店情報提供サービスAPI

潜む影、シャドウAPIとは

潜む影、シャドウAPIとは

私たちの生活を便利にする技術の裏側では、様々な情報システムが複雑に連携し、膨大なデータがやり取りされています。その連携の要となるのがAPIと呼ばれる仕組みです。しかし、この便利なAPIには、セキュリティ上の落とし穴が存在します。それが「シャドウAPI」と呼ばれるものです。

シャドウAPIとは、組織内で適切に管理・把握されていないAPIのことを指します。例えば、開発の過程で一時的に作成され、そのまま放置されたAPIや、古いシステムの一部として残り続け、誰もその存在を認識していないAPIなどが挙げられます。重要なのは、こうしたAPIはセキュリティ対策の盲点になりがちという点です。

正規のAPIであれば、アクセス制御や暗号化といったセキュリティ対策が施されているのが一般的です。しかし、シャドウAPIの場合、そうした対策がなされていない、あるいは対策が古いまま放置されているケースが少なくありません。そのため、悪意を持った攻撃者にとって格好の標的となり得ます。

シャドウAPIの脅威から組織を守るためには、まず、どのようなAPIが存在しているかを把握することが重要です。そして、使用されていないAPIは速やかに停止し、必要なAPIには適切なセキュリティ対策を施す必要があります。APIの利用状況を定期的に監視することも有効な手段です。

項目 内容
定義 組織内で適切に管理・把握されていないAPI
一時的に作成され放置されたAPI、古いシステムの一部として残り続け誰も認識していないAPI
危険性 セキュリティ対策の盲点になりがち
– アクセス制御や暗号化などの対策がされていない
– 対策が古いまま放置されている
対策 – 存在するAPIを把握する
– 使用していないAPIは停止する
– 必要なAPIには適切なセキュリティ対策を施す
– APIの利用状況を定期的に監視する

シャドウAPIのもたらす危険性

シャドウAPIのもたらす危険性

– シャドウAPIのもたらす危険性シャドウAPIとは、組織内で使用されているにも関わらず、公式には認識・管理されていないAPIのことを指します。まるで影の存在のようにひっそりと稼働していることから、このように呼ばれています。便利な反面、その存在自体がセキュリティ上の大きな落とし穴となりえます。シャドウAPIの最大の問題点は、適切なセキュリティ対策が施されていないケースが多いということです。公式に管理されていないため、セキュリティ対策の網の目をくぐり抜け、脆弱な状態のまま放置されている可能性があります。これは、まるで鍵のかかっていない玄関から、誰でも家の中に入ることができる状態を放置しているようなものです。悪意のある攻撃者は、このようなセキュリティの抜け穴を虎視眈々と狙っています。攻撃者はシャドウAPIを悪用し、システムへ侵入、機密情報や個人情報の盗難、システムの改ざんといった深刻な被害をもたらす可能性があります。さらに、シャドウAPIの存在は、近年厳格化が進んでいる個人情報保護に関する法規制にも抵触する可能性があります。企業は個人情報の利用目的を明確化し、適切に管理することが義務付けられていますが、管理外のシャドウAPIが個人情報を扱っている場合、この義務を果たせなくなってしまう可能性があります。結果として、組織は大きな責任を問われ、社会的信用を失墜させてしまうことになりかねません。シャドウAPIのリスクを最小限に抑えるためには、まず組織全体でAPIの利用状況を把握することが重要です。そして、発見されたシャドウAPIに対しては、適切なセキュリティ対策を施し、公式なAPIとして管理していくことが求められます。

項目 内容
定義 組織内で使用されているが、公式には認識・管理されていないAPI
問題点 セキュリティ対策が施されていないケースが多い
リスク
  • システム侵入
  • 機密情報や個人情報の盗難
  • システムの改ざん
  • 個人情報保護法規制への抵触
  • 社会的信用の失墜
対策
  • 組織全体でAPIの利用状況を把握する
  • 発見されたシャドウAPIにセキュリティ対策を施す
  • シャドウAPIを公式なAPIとして管理する

シャドウAPIの発見と対策

シャドウAPIの発見と対策

– シャドウAPIの発見と対策組織の重要な情報資産を守るためには、目に見えない脅威を把握することが不可欠です。近年、セキュリティ対策の網をくぐり抜け、ひっそりと潜む「シャドウAPI」が大きなリスクとなっています。まるで影の存在のように密かに存在するシャドウAPIは、攻撃者にとって格好の標的となりえます。シャドウAPIの脅威から組織を守る第一歩は、その存在を明らかにすることです。組織内のネットワークをくまなく監視し、怪しいデータのやり取りがないか調査する必要があります。また、APIを一元管理する仕組みを導入することで、公式に認められていないAPIを効率的に洗い出すことができます。発見されたシャドウAPIは、その重要度や危険性に応じて適切に対処する必要があります。もし、そのAPIが業務上不要なものと判明した場合は、速やかに利用を停止し、削除することが重要です。一方、業務に不可欠なシャドウAPIが見つかった場合は、セキュリティ対策を施した上で、正式なAPIとして管理下に置く必要があります。具体的には、アクセス制御や認証の強化、脆弱性検査の実施などが挙げられます。シャドウAPIの存在を軽視することは、セキュリティ上の大きなリスクにつながります。組織全体でシャドウAPIへの意識を高め、適切な対策を講じることで、情報資産を脅威から守ることが重要です。

ステップ 内容 詳細
シャドウAPIの発見 組織内のネットワーク全体の監視 – 不審なデータのやり取りがないか調査する。
APIの一元管理 – 公式に認められていないAPIを効率的に洗い出す。
シャドウAPIへの対策 業務上不要なAPIの処理 – 速やかに利用を停止し、削除する。
業務上必要なAPIの処理 – セキュリティ対策を施した上で、正式なAPIとして管理下に置く。
– アクセス制御、認証の強化、脆弱性検査の実施などを行う。

組織全体で取り組むセキュリティ対策

組織全体で取り組むセキュリティ対策

– 組織全体で取り組むセキュリティ対策現代のビジネスにおいて、システムやデータを繋ぐAPIは必要不可欠なものとなっています。しかし、その利便性の一方で、管理外の sogenannte “影” API がセキュリティ上の大きなリスクとなる可能性があります。これは、組織全体でセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じる必要があることを意味します。影 API の問題は、単に技術的な側面からのみ捉えるべきではありません。組織全体でセキュリティに関する意識改革を進め、責任ある行動を促進することが重要です。そのためには、経営層から現場の担当者まで、それぞれの立場でセキュリティの重要性を理解し、日々の業務の中で実践していく必要があります。開発チームにおいては、APIのセキュリティに関する教育を充実させ、安全なAPI開発を促進する必要があります。併せて、不要になったAPIを適切に廃止するプロセスを確立し、放置されたAPI が影 API と変わらないリスクを生むことを防ぐことが重要です。セキュリティ対策を効果的に進めるためには、セキュリティ担当者と開発チームの連携強化が欠かせません。両者が緊密に連携し、相互に情報共有やリスク評価を行うことで、問題を早期に発見し、迅速に対応できる体制を構築することが可能となります。影 API の存在は、組織全体のセキュリティ体制を見直す良い機会と捉えるべきです。組織全体で意識を共有し、適切な対策を講じることで、デジタル時代における安全と信頼を確保できる組織を目指しましょう。

対策の対象 具体的な対策
組織全体 – セキュリティ意識の向上
– 責任ある行動の促進
開発チーム – API セキュリティに関する教育の充実
– 安全な API 開発の促進
– 不要な API の廃止プロセスの確立
セキュリティ担当者と開発チーム – 連携強化
– 相互の情報共有
– リスク評価の共同実施
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