セキュリティ対策の優先順位付けに!KEVとは?

セキュリティ対策の優先順位付けに!KEVとは?

セキュリティを知りたい

先生、「KEV」ってセキュリティのニュースでよく聞くんですけど、何なのかよくわからないんです。教えてください!

セキュリティ研究家

「KEV」は、実際に悪用されたことが確認されているコンピューターの弱点を集めたリストのことだよ。アメリカのある機関が作って公開しているんだ。たくさんの弱点情報の中から、特に危険なものを教えてくれるから、企業は対策しやすくなるんだね。

セキュリティを知りたい

実際に悪用された弱点だけを集めているんですね! なんでそういうことをするんですか?

セキュリティ研究家

毎日新しい弱点が見つかるけど、全部に対応するのは大変だよね。だから、実際に悪用されたものから優先的に対策しよう!という考え方なんだよ。KEVの情報は誰でも見られるから、セキュリティ対策に役立ててね、ということだね。

KEVとは。

安全性を高めるための情報源、『既知の脆弱性一覧』について説明します。『既知の脆弱性一覧』は、アメリカのサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁が公開しているデータベースです。このデータベースには、実際に悪用されたことが確認されているシステムの弱点に関する情報がまとめられています。具体的には、いつ弱点が見つかったのか、どのように悪用されているのかといった情報が載っています。企業は、日々公開される膨大な量の弱点情報の中から、自社にとって危険なものを選別して対策する必要があり、大きな負担となっています。このような負担を減らす方法の1つとして、『既知の脆弱性一覧』を活用することが挙げられます。この一覧では、既に悪用されたことがある弱点に絞って情報が掲載されているため、優先的に対策すべき弱点を見つけるのに役立ちます。『既知の脆弱性一覧』に掲載されるためには、三つの条件を満たす必要があります。企業は、『既知の脆弱性一覧』を活用することで、実際に攻撃が確認されている弱点に対して、適切な対策を迅速に行うことができます。『既知の脆弱性一覧』は、サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁のウェブサイトから、CSV、JSON、JSONスキーマの形式でダウンロードできます。

はじめに

はじめに

– はじめに

現代社会において、情報技術は必要不可欠なものとなり、企業活動もその多くがネットワークに依存するようになりました。しかし、その一方で、日々巧妙化するサイバー攻撃の脅威にも晒されています。攻撃者は、システムの脆弱性を突いて機密情報を盗み出したり、業務を妨害したりと、様々な方法で企業に損害を与えようとしてきます。

企業は、このような脅威から自身を守るため、セキュリティ対策に多大な時間と費用を投じています。しかし、セキュリティ対策は、やみくもにあらゆる対策を講じれば良いというものではありません。限られた資源の中で、より効率的かつ効果的にセキュリティレベルを向上させるためには、どこに焦点を当てるべきかを明確にする必要があります。

そこで注目されているのが、KEV(Known Exploited Vulnerabilities Catalog)です。KEVは、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が公開しているデータベースであり、実際に攻撃に悪用されたことが確認されている脆弱性に関する情報がまとめられています。過去の攻撃事例から、どのような脆弱性が悪用されやすいのか、どのシステムが狙われているのかを把握することで、企業はより的確にセキュリティ対策を講じることができるようになります。

KEVは、膨大な数の脆弱性の中から、優先的に対処すべきものを選定する上で非常に有用なツールと言えます。

情報源 内容 活用方法
KEV(Known Exploited Vulnerabilities Catalog)
アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が公開しているデータベース
実際に攻撃に悪用されたことが確認されている脆弱性に関する情報 過去の攻撃事例から、
– どのような脆弱性が悪用されやすいのか
– どのシステムが狙われているのか
を把握し、的確にセキュリティ対策を講じる。

KEVとは

KEVとは

– KEVとはKEVは、「既知の悪用された脆弱性カタログ」を意味し、アメリカのサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)が公開しているデータベースです。このデータベースは、企業や組織のセキュリティ対策に役立つ重要な情報を提供しています。日々、世界中でソフトウェアやハードウェアの脆弱性が発見され、その情報は膨大な量に上ります。セキュリティ対策の担当者は、これらの情報全てに対応することは難しく、本当に対応すべき重要な脆弱性を見極めることが課題となっています。そこで、KEVが重要な役割を果たします。KEVには、実際に悪用されたことが確認された脆弱性に関する情報が集約されています。つまり、攻撃者が実際に悪用してシステムに侵入したり、情報を盗み出したりするために利用したことが確認されている、危険度の高い脆弱性がリストアップされているのです。KEVを参照することで、セキュリティ対策の担当者は、膨大な量の脆弱性情報の中から、本当に対処すべき脅威となる可能性の高い脆弱性を効率的に把握することができます。限られた時間と資源の中で、より効果的なセキュリティ対策を実施するために、KEVは非常に有効なツールと言えるでしょう。

KEVとは 特徴 メリット
既知の悪用された脆弱性カタログ (Known Exploited Vulnerabilities Catalog) 実際に悪用されたことが確認された脆弱性に関する情報が集約されている 膨大な量の脆弱性情報の中から、本当に対処すべき脅威となる可能性の高い脆弱性を効率的に把握できる

KEVへの登録条件

KEVへの登録条件

– KEVへの登録条件

KEVは、情報セキュリティの観点から特に注意が必要な脆弱性に関する情報を集約したデータベースです。このデータベースに登録されるためには、単に脆弱性が発見されただけでは不十分で、実際に悪用され、脅威となる可能性が高いことを示す必要があります。具体的には、以下の三つの条件全てを満たす必要があります。

-1. 公開された脆弱性情報を利用した悪用の実例が存在すること-

脆弱性に関する情報は、セキュリティ研究者やソフトウェア開発者によって公開されることがあります。これは、問題を修正し、システムをより安全にするために重要なプロセスです。しかし、同時に、悪意のある攻撃者がこの情報を利用して、実際にシステムを攻撃する危険性も孕んでいます。KEVに登録されるためには、このような公開された脆弱性情報に基づいた、実際の悪用例が確認されている必要があります。

-2. 当該の脆弱性を悪用するコードが公開されている、または悪用の事実が広く知れ渡っていること-

脆弱性を悪用するコードがインターネット上で公開されると、攻撃の手法が容易に拡散し、攻撃が活発化する可能性が高まります。また、悪用が広く知れ渡っている場合も同様に、攻撃の増加が懸念されます。KEVへの登録には、このような状況であることを示す必要があります。

-3. 当該の脆弱性を狙った攻撃が活発に行われている、または大規模な攻撃に悪用される可能性が高いこと-

既に活発に悪用されている脆弱性や、大規模な攻撃に悪用される可能性の高い脆弱性は、社会全体に深刻な影響を与える可能性があります。KEVは、このような特に危険性の高い脆弱性に焦点を当て、注意喚起を行っています。

このように、KEVは実際に悪用され、脅威となる可能性の高い脆弱性のみを厳選して掲載しています。KEVに掲載された脆弱性については、早急な対策が必要となります。

KEV登録条件 詳細
悪用の実例 公開された脆弱性情報を利用した悪用例が確認されていること
悪用コードの公開または悪用の周知 脆弱性を悪用するコードが公開されている、または悪用の事実が広く知れ渡っていること
攻撃の活発化または大規模攻撃の可能性 当該の脆弱性を狙った攻撃が活発に行われている、または大規模な攻撃に悪用される可能性が高いこと

KEVの活用方法

KEVの活用方法

– KEVの活用方法KEV(既知の悪用された脆弱性カタログ)は、アメリカのサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)が公開している、実際に悪用されたことのあるセキュリティ上の弱点のリストです。攻撃者は常に新たな脆弱性を探しており、悪用された脆弱性情報は企業にとって非常に重要です。このKEVを有効活用することで、より効果的に自社のシステムを守る対策を講じることができます。KEVはCISAのウェブサイトから、CSV、JSON、JSONスキーマといった様々な形式でダウンロードできます。自社のシステム環境に合わせて使いやすい形式を選び、脆弱性対策に役立てましょう。具体的には、まずKEVの情報と自社のシステム環境を照らし合わせ、実際に悪用されている脆弱性が存在するかどうかを確認します。 脆弱性が見つかった場合は、早急に対策を講じる必要があります。KEVには、脆弱性に関する詳細情報だけでなく、修正プログラムや回避策などの是正ガイダンスも記載されています。これらの情報を参考に、迅速に脆弱性を修正することが重要です。 修正プログラムの適用が難しい場合は、回避策を検討するなど、状況に応じた対策を講じることが重要です。KEVは常に最新情報が更新されているため、定期的に確認し、最新の脅威情報を入手しておくようにしましょう。

KEVとは KEVの活用方法
アメリカ サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)が公開している、実際に悪用されたことのあるセキュリティ上の弱点リスト 1. KEVの情報と自社のシステム環境を照らし合わせ、実際に悪用されている脆弱性が存在するかどうかを確認する。
2. 脆弱性が見つかった場合は、KEVに記載されている修正プログラムや回避策などの是正ガイダンスを参考に、迅速に脆弱性を修正する。
3. 修正プログラムの適用が難しい場合は、回避策を検討するなど、状況に応じた対策を講じる。
4. KEVは常に最新情報が更新されているため、定期的に確認し、最新の脅威情報を入手する。

KEVのメリット

KEVのメリット

– KEVのメリットKEV(既知の悪用された脆弱性カタログ)は、実際に悪用されたことのあるシステムの脆弱性に関する情報を集約したデータベースです。このKEVを活用することで、多くのメリットがあります。中でも最大のメリットは、セキュリティ対策の優先順位付けを効率的に行えるという点です。セキュリティ対策は、限られた時間と資金、人員で行わなければなりません。そのため、全ての脆弱性に対して完璧な対策を施すことは、現実的に不可能です。そこで重要となるのが、より悪用されやすい脆弱性から優先的に対策していくという考え方です。KEVは、過去に実際に悪用された脆弱性に関する情報を提供してくれるため、組織は自社のシステムにおいて、どの脆弱性の対策を優先すべきかを判断することができます。 つまり、限られた資源をより効率的に活用し、より効果的にセキュリティ対策を進めるための指針として、KEVは非常に有効なのです。KEVを活用することで、企業はより安全なシステムを構築し、サイバー攻撃から組織の重要な情報資産を守ることができます。

KEVのメリット 説明
セキュリティ対策の優先順位付けを効率化 限られた資源で効果的な対策を行うために、悪用されやすい脆弱性から優先的に対処
資源の効率的な活用 実際に悪用された脆弱性の情報に基づき、効果的なセキュリティ対策を実施
効果的なセキュリティ対策の促進 より安全なシステム構築と情報資産の保護

まとめ

まとめ

昨今、悪意のある者が仕掛けるインターネット上の攻撃は、日々巧妙さを増しており、企業は常に最新の防御策を講じる必要性に迫られています。企業が保有する重要な情報やシステムを守るためには、絶えず変化する攻撃の手口に対応していくことが不可欠です。

このような状況下において、KEV(脅威、脆弱性、影響情報)は、企業が限られた資源と時間を有効活用しながら、効果的なセキュリティ対策を実施するための強力な武器となります。KEVは、実際に発生した攻撃事例やセキュリティ上の弱点、その影響度に関する情報を集約したものです。この情報を活用することで、企業は自社のシステムにとって特に危険な攻撃を特定し、優先順位を付けて対策を講じることができます。

KEVは、いわばセキュリティ対策の羅針盤です。膨大な情報の中から本当に必要な対策を選び出し、適切な対策を効率的に実施することで、企業は貴重な情報資産をサイバー攻撃の脅威から守ることができるのです。

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